情報連携がうまくいかない組織は何がエラーを起こしているのか
‣2023.04.18
今回は昔からビジネス界の大きな課題でもある「情報連携がうまくいかない」という問題に切り込んでいきます。
この問題は昔から言われている問題ですが未だに、この問題はなくなることはありません。
そこで、私が考える原因と対策について紹介していきます。
現在、思うようにチーム内の情報連携がうまくいかないと悩まれている方はぜひ参考にしてください。
「事実」と「感情」の混同
実は情報連携がうまくいかない原因は明確です。
それは一部の事実だけを伝え、残りはほぼ感情を伝えるだけになってしまっていることです。
聞いている側が、どこまで事実か判断できず、伝えられた側が事実を勘違いしてしまうケースもあります。
では、どうすればいいのかというと「まずはすべて書き出すこと」です。
そして次にどこまでが「事実」であり、どこまでが「感情」なのかを分類します。
そして、伝え手側は最初に事実をすべて述べてから、その後に自分自身の感じたこと思ったことを感情として伝えます。
この時に事実を伝えている部分と感情を伝えている部分を分けるために「まず事実として〜」という、今から事実を話しますということをしっかりと前置きします。
その後、すべての事実を伝え終わった後に、「ここからは私がこの件について思うことは〜」というように、ここからは感情を伝えますとわかりやすく分けてあげる必要があります。
そうすることで情報伝達の際に認識の違いや間違った伝わり方が起こってしまうことを減らすことができます。
ここでさらに一つコツがあり、一人で書き出して分類するのではなく複数の人間で分類し、そこから深掘りしたほうが効果的です。
具体的にはなぜ、その事実が生まれたのか、その報告で最も何を伝えるべきなのか、そういった部分を軸に置き、複数の人間でどこまでが事実でどこからが感情なのかを分類することで第三者視点も加わるため個人的な感情を排除することができます。
世の中には本が読めない人間が存在する
実は世の中には事実として文章で伝えられると、理解ができない人というのは存在します。
この事実は本などを日常的に読まれる方などには理解し難い事実かもしれませんが、これは事実です。
そのような文章を読んでも理解がうまくできない人に対して、伝え手側がどれだけ努力して文章で伝えようとしても、これはムダな努力になってしまいます。
この場合は直接口頭で伝えるか、資料に図を入れるのかという工夫が必要です。
伝える情報のカタチを変えてあげて、相手にとって受け取りやすい形にしてあげることが大事です。
このように情報連携を行う際には相手によって伝え方を変えるというのが非常に肝要となってきます。
視覚と聴覚どちらも選択肢として持っておくことが非常に重要です。
結論から述べろ!は100点じゃない!
実は結論から述べるという方法がベストかというと、これは人によります。結論から述べたからといってすべての人間が、こちらの伝えたいことを確実に理解できるのかというとそうではありません。
全体像から伝えて、最後に結論を伝えられたほうが理解しやすいという人も世の中には存在します。
そのため、「相手の傾向を読んで相手に合わせる」のがベストです。常に相手に合わせて自らを変化させられる柔軟性を持ちましょう。
問題の温度感が適切に伝わらないのはアレが原因
これは相手の当事者意識が足りない場合が多いです。
事前に相手に対して、当事者であると認識してもらっておく必要があります。日常的にリーダーがすべての業務をやってしまっている場合に部下が自分自身の中で当事者意識を持ちにくい傾向にあります。
伝わってないプレゼンなど無意味
これは自称プレゼンが上手いという人に非常に多い悩みです。
プレゼンは相手から何の質問も疑問も言われず、スムーズに進み、そして終わります。
大満足で家に帰り、次の日からプロジェクトが動き出すかと思っていますが、誰も何も動かない。その後何日待っても一向に動き出す気配がなく、悩みます。
これは自称プレゼンが上手な人に多い悩みです。これも情報を伝えるという面において上記と同様で「相手に適切に伝わっていない」という問題と「行動を促すことができていない」という問題の2つが起こってしまっているためです。
実はプレゼンが本当に上手い人というのは流暢に話す人ではなく、「適切に情報を伝えることができ、相手に行動を促すことができている人」です。
そのためには相手が主役であり、相手のわかる言い方、流れで伝えることが重要です。
プレゼンでこれまで自分が主役だと思っていた方は、この機会に相手が主役だと考えを変えるとこれまでになく、多くの人を動かすことができるようになります。
まとめ
情報連携は多くの職場において課題として挙げられます。多くの人が悩み、時には大きなトラブルにもなってしまう情報連携ですが、今回ご紹介した「事実」と「感情」を混同しないという部分や「相手に合わせて柔軟に伝え方を変える」という点を意識するだけで驚くほど情報連携はうまくいきます。
現在、情報連携がうまくいかないことで悩まれている方はぜひ、明日職場で試してみてください。