新卒の離職を防ぐためにはどうすればいいか

2023.04.18

ここでは新卒の離職を防ぐにはどうすればいいのかを解説していきます。

多くの企業での課題であり、中小企業にとっては大きな打撃ともなる可能性のある「新卒離職」問題について、この記事では私の考えを紹介していきます。

今、まさにその問題で悩まれている方はぜひご一読ください。

近年の若者はすぐ辞めるは間違い!

これはよく勘違いされがちですが、大卒の三割が退職するということについては近年に限ったことではありません。

昔から、この割合です。

これは明確なデータで、このことは厚生労働省やマイナビによって実証されています。

ただ、基本的に若干数字が変わる時というのは不景気のときにはやめにくくなり、好景気のときには辞めやすくなります。

辞める原因としては「自分に合わない」次が「人間関係」そして次にくるのが「労働条件」についてということがマイナビや厚生労働省発表のデータからわかります。

ですが、正直なところ教育でどうしようもない部分もあります。どこまで労働条件のミスマッチをどれだけなくしていけるのかが重要です。

会社と若手社員との間の労働条件のミスマッチは退社意思に直接的につながってしまいます。

大手であれば教育の仕組みなどは確立されていますし、確立することは可能ですが、中小企業は人手不足であり、教育の時間やノウハウ、予算不足などが現実問題として存在します。

では、そういった場合の中小企業が新卒の離職を防ぐにはどうすればいいのかというと、「何のためにその作業があるのか」を明確に伝えることが重要です。

ただの作業と考えさせてしまうのではなく、「仕事」であると伝える必要があります。

これを毎回伝えてあげることで「目的意識」が養われます。

そうすると新卒社員は自分の仕事に意味を見出します。このときにしっかりとOJTを担う社員がしっかりと仕事の出来をみてあげて評価してあげることが重要です。

そして、もし失敗してしまった場合に、ただ現象を叱責するのではなく、原因を考えさせてあげるということが非常に重要になってきます。 

近年はとにかく褒める文化がありますがそれは実は非常に危険です。ただ「承認」し認めてあげるだけではなく、方向性や問題を発生させた場合には適切に問題であると、認識させることが重要です。

また上記に加えて小さな成長を見逃さないことが大事です。

小さな階段の一つ一つを達成できたことをしっかりと褒めてあげること、承認してあげることが重要です。

この小さな一歩一歩を承認してあげることが離職率防止に繋がります。こうすることで自分に合わないという感覚を感じにくくなり、自分でもできる、頑張ったらできたということの繰り返しが非常に重要になってきます。

キャリアデザインの相談は本気で!

どうキャリアを踏んでいくのか話し合える場を作ることが重要です。

このときに大事なのが、この会社でのキャリアデザインの話ではなく社員を一人の人間として捉えて、その人の人生においてのキャリアビジョンを考えてあげるべきです。

この時にどれだけ相手の「人生キャリアビジョン」を一緒に考えてあげるのかで相手からの感謝の度合いは大きく変わってきます。

辞める社員は会社にとって非常に危険であると認識せよ

会社に対して不平不満を持った社員が辞める時は「会社の危機」だと思った方がいいです。

一人の人間の気持ちや感情というのを軽視し、相手が若いからと、ぞんざいな扱いをしていると、やめた後に会社の悪口などを吹聴する可能性すらあります。

これはどんな企業にとっても非常に大きなリスクです。

もし、社員が辞めることになったとしても「本当にいい会社だった」と思える会社づくりや接し方が非常に重要です。

決して若いからや実績がないからといった理由で若手を軽視することは絶対にやめましょう。

 

コミュニケーションを軽視するな

コミュニケーションは皆が自分は当たり前にできると思っているために「軽視」しています。

これが人間関係の問題の原因です。

コミュニケーションができていないことが理解できていないことが職場の人間関係の悪化につながってしまいます。

コミュニケーションとは本来「共にいる」ことであり、原理原則は「わかろうとする」ことです。

わからせようとする方は多いですが、「わかろうとする」人は実際かなり少ないです。

会社の組織内でメンターを準備し、相談できる上の人間を準備してあげることが重要です。このメンターは年齢が上でしっかりと成果を上げている社員が就くべきです。

そうすることで人間関係の問題は非常に起きにくくなります。

日常を大切にしフォローしてあげる

OJTのリーダーがしっかりと日常的にフォローしてあげることがまず大事です。そして同時に上記のようなメンターがフォローアップ面談を回数は少なくてもいいので実施してあげることが重要です。

少なくとも月に2回新入社員に対してはフォローアップ面談を実施してあげるべきです。

手厚いフォローができていない企業がほとんどであり、大切にしていることを頻度の高いフォローアップ面談で伝えることが重要です。

そしてしっかりと成果を上げたときには共に喜んであげることが重要になります。

まとめ

ここまで新卒の離職を防ぐにはどうすればいいのかを解説してきました。多くの中小企業は離職の原因を相手の新卒に求めますが、本当にそうでしょうか。

本当に給与や福利厚生が原因でしょうか。

この記事を読んでいただいた方はすでにお気づきかと思いますが「人」という生き物はどこまでも情緒的な生き物です。

そのため、もう一度「フォロー」がしっかりとできているのか見直してみるのも効果的であると思います。