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単純接触効果(ザイアンスの法則)とは?組織のジェネレーションギャップ解消にも活用できる心理学

単純接触効果(ザイアンスの法則)とは?組織のジェネレーションギャップ解消にも活用できる心理学

単純接触効果とは?ビジネスや組織に活用できる心理学の知見を解説。ジェネレーションギャップの解消にも効果的な「ザイアンスの法則」の実践方法を紹介。組織の生産性向上に役立つヒントが満載!

ビジネスの世界では、顧客との関係構築やブランディング、さらには社内のコミュニケーション改善において、心理学の知見が大きな役割を果たしています。
その中でも特に注目されているのが「単純接触効果」です。

本記事では、単純接触効果とは何か解説するとともに、組織内のジェネレーションギャップ解消にどのように活用できるか探っていきます。

講演サーチはジェネレーションギャップに悩む企業や労働組合など、さまざまな組織に並走します。講演会や研修会を通して、組織の世代間ギャップを解消しませんか?講師派遣や講演依頼の際は、講演サーチの無料相談フォームよりご相談ください。

単純接触効果(ザイアンスの法則)とは?組織のジェネレーションギャップ解消にも活用できる心理学

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単純接触効果とは

単純接触効果(ザイアンスの法則)とは?組織のジェネレーションギャップ解消にも活用できる心理学
単純接触効果(Mere Exposure Effect)とは、ある対象に繰り返し接触することで、その対象に対する好意度が高まる心理現象を指します。
この効果は、アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスによって1968年に提唱されたことから、「ザイアンスの法則」や「ザイオンス効果」とも呼ばれています。

単純接触効果が発揮される対象は、人や物、絵画、音、言葉などあらゆるものが当てはまります。
初めは興味がなかったのに、「いつの間にか気になる」「つい目に入る」と思ったら、単純接触効果が機能しているかもしれませんね。

単純接触効果の歴史

単純接触効果の概念は、19世紀末にさかのぼります。
1876年に、ドイツの心理学者グスタフ・フェヒナーが、人は繰り返し見た絵画をより好むという現象を観察しました。
この小さな気づきがきっかけで、本格的な研究がスタートしました。単純接触効果が理論化されたのは1960年代になってからです。

アメリカの社会心理学者ロバート・ザイアンスは、1968年に発表した論文「Attitudinal Effects of Mere Exposure」で、この効果を体系的に研究し「単純接触効果」という用語を初めて使用しました。彼の研究は、その後の数多くの研究の基礎となりました。

参照:国立国会図書館サーチ「Attitudinal effects of mere exposure
Journal of Personality and Social Psychology Monograph Supplement. 9 2,p.1-27.

単純接触効果に関する実験例

ザイアンスの代表的な実験の一つに「文字実験」があります。
この実験では、被験者に意味の分からない中国語の文字を様々な頻度で見せました。その結果、より頻繁に見た文字に対して、被験者はより好意的な評価を示したのです。

別の実験では、被験者にランダムに選んだ被験者と会ったことのない人物の顔写真を複数見せました。写真ごとに見せる回数を変えた後、どちらが好きかを尋ねました。
その結果、多くの人が見せた回数が多い人の写真を好むという結果が得られています。

ポイント

繰り返し接触することで好意が増す「単純接触効果」ですが、繰り返せば好感度が高まり続けるとは限りません

写真を提示する実験では、見せられた回数が10回を超えると好感度が上がりにくくなったという結果が得られています。

  
 
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単純接触効果のメカニズム

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単純接触効果が生じる理由については、以下のように考えられています。

1. 処理の流暢性:何度も見たり聞いたりすることで、その情報の処理がスムーズになり、肯定的な評価につながります
2. 安全性の認知:繰り返し接触しても危害がないことを学習し、対象を「安全」と認識するようになります

同じ対象を何度も見聞きしたり触れたりすることで、そのものに対する抵抗感や警戒心が薄れることが、単純接触効果の要因です。

ポイント

職場でいつもすれ違いあいさつをする程度の同僚を思い浮かべてみましょう。

あいさつを交わすだけであれば互いに嫌な思いや経験をすることは少ないですよね。そのため、「この人は安全だ」といった意識が働き、好意的な感情を抱きやすくなるのです。

 

ビジネスにおける単純接触効果

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単純接触効果は、マーケティングや広告の分野で広く活用されています。

具体的には、

・ブランドロゴを繰り返し露出する
・テレビCMを繰り返し放送する
・SNSで定期的に投稿する

などです。

単純接触効果を活用したマーケティング戦略は、消費者からの認知だけでなく好感度も高めます。そのため、購買行動を促進できるのが魅力です。

ポイント

世間にはさまざまな商品やサービスがありますが、自分がどのように購入するものを選んでいるのか振り返ってみませんか?

よく聞くCMのフレーズや歌をつい口にしたくなったり、通勤路で毎朝みる屋外広告があったりするならば、それが無意識に購入を促しているかもしれませんね。

  
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ジェネレーションギャップと単純接触効果の関係

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ジェネレーションギャップ(世代間ギャップ)は、多くの組織が直面している課題の一つです。異なる世代間での価値観や行動様式の違いがコミュニケーションの障壁となり、チームの生産性や一体感を低下させるため、多くの企業で問題視されています。

ここでは単純接触効果とジェネレーションギャップ(世代間ギャップ)の関係について探ってみましょう。

単純接触効果を活用したジェネレーションギャップの解決策

世代間のギャップを埋めて、コミュニケーションを活発化したり業務をスムーズに進めたりするためには、単純接触効果を活用するのも一手です。

具体的な解決策は以下のとおりです。

1.世代間交流の機会を増やす

定期的な異世代間のミーティングや共同プロジェクトを設けることで、お互いの考え方や働き方に自然と慣れていきます。定期的な世代間交流は、組織内の相互理解を促進してくれるでしょう。
例えば、月1回年齢関係なく参加できるランチ会を開いたり、定期的に世代間交流を目的とした懇親会を開催したりするアイデアがありますね。

単純接触効果だけでなく、定期的に関わることで各世代の強みや考え方を直接体験する機会が生まれるのも魅力です。
ただし、参加者の自主性を尊重し、強制的にならないよう配慮することが重要ですね。「パワハラだ」と思われない配慮が欠かせません。

2.メンタリングプログラムの実施

若手社員とベテラン社員をペアにして、メンタリングプログラムを実施してみましょう。メンターがいることで若手社員の心理的安全性向上を図れるほか、接触頻度が増えることで互いに好意を持って接しやすくなりますね。

メンタリングプログラムを実施すると技術や単なる知識の伝達でとどまらず、組織文化などの共有も可能となります。明確な目標設定と定期的な振り返りを行い、相互理解を深められる機会をつくりましょう。

ただし、接触頻度が増えてもそこで嫌な思いをすると好感度は高まりません。世代間ギャップ研修などを実施して、お互いに配慮と理解を持って接することができる意識づけを行うことも重要です。

3.コミュニケーションツールの導入とトレーニング

各世代が得意とするコミュニケーション手段(対面、メール、チャットなど)を組み合わせて使用することで、相互の理解と適応を促します。

各世代が得意とするコミュニケーション手段を適切に組み合わせることで、情報伝達の効率と正確性を向上させることができます。

具体的なコミュニケーション手段は、

・対面
・メール
・オンラインチャット
・電話
・オンラインミーティング

などが挙げられます。

例えば、重要な決定事項は対面やビデオ会議で共有し、日常的なやりとりはチャットツールを活用するなど、状況に応じた使い分けが効果的です。

また、各ツールの使用方法に関するトレーニングを世代をわけずに実施するのもよいですね。
上司層は、オンラインツールの活用が得意な「Z世代」からデジタル領域を学びつつ、自らが習得してきたビジネスマナーや電話応答のコツなどを若手に継承できます。繰り返し教え合える関係ができると単純接触効果が機能し、お互いにポジティブな感情を抱けるでしょう。

相互に協力しながら世代間のデジタル・ディバイドを解消し、組織全体の成長につながげてはいかがでしょうか。

補足:デジタル・ディバイドとは
デジタル・ディバイドとは、「インターネットやパソコン等の情報通信技術を利用できる者と利用できない者との間に生じる格差」のことをいう。

引用:総務省「デジタル・ディバイドの解消

これらの取り組みを実施して異なる世代間で繰り返し接触する機会を設けることで、単純接触効果が働き、お互いに対する好意的な感情や理解が自然と深まっていくことが期待できます。
組織の課題となりやすいジェネレーションギャップを解決するなら、まずは接触機会を増やしたり、相互理解を深めるため外部講師を招いて学ぶ機会をつくったりしてみましょう。
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まとめ

単純接触効果について解説しました。企業においては、マーケティング分野だけでなくジェネレーションギャップ解消といった効果も期待できます。ポジティブな印象を与える接触を心がけ、各世代の強みを活かせる環境づくりを行うことが、ギャップ解消につながります。

単純接触効果やその他の心理学的知見を組織に活かす方法について、より深く学びたい方は、専門家による講演や研修の受講をおすすめします。
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