建設業の安全大会は開催義務があるの?労働安全衛生法との関連と開催時期の目安
この記事では、建設業の安全大会は義務なのかについて解説します。
安全大会は開催の義務はないものの、実施すべき理由がいくつかあります。また、開催時期や安全大会を成功させるためのポイントもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
建設現場の安全確保は、作業員の命を守るためにとても重要な課題です。
現場の安全意識を高める役割を担う安全大会ですが「安全大会は必ず開催する必要があるの?」と疑問を抱く事業者も多いのではないでしょうか。
本記事ではそんな疑問にお答えします。
講演サーチでは安全大会での講師派遣の他、講師選びや講演会のサポートも承っています。講演会やセミナーの開催をお考えの方は、お気軽に無料相談フォームよりお問い合わせください。
建設業の安全大会は開催義務があるの?労働安全衛生法との関連と開催時期の目安
目次
安全大会とは?建設業における役割と重要性
安全大会とはそもそもどんな目的のために開催されるのでしょうか。
建設業における安全大会の役割とともに解説します。
安全大会とは
安全大会は、建設現場の安全を守るための大切な集会です。通常、現場の管理者や作業員が参加し、安全について学びます。
安全大会の主な目的は以下の3つです。
・安全意識を高める
・事故の危険性を理解する
・安全な作業方法を学ぶ
上記の目的を達成することで現場での事故を防止し、労働災害をなくすために開催されます。
建設業における安全大会の役割と重要性
建設業は、特に事故が起きやすい業種です。
厚生労働省の「令和5年労働災害発生状況」によれば、建設業で労働災害により亡くなった方は223人にのぼり、全業種のなかで最も多い数字となっています。
労働災害により亡くなった方
危険な現場での事故を防ぐために、安全大会では安全対策に関するセミナーなどを開催します。また、参加者同士で意見交換をするグループワークも設けることで、現場特有の危険にも気づくことができます。
安全大会は建設業の安全を支える重要な柱となっているのです。
安全大会は義務?労働安全衛生法と安全大会の関係性
働く人の安全と健康を守るために「労働安全衛生法」があります。しかし、労働安全衛生法には「安全大会を開催しなければならない」という直接的な記述はありません。つまり、開催は法律で義務づけられているわけではないのです。
ただし、労働安全衛生法は事業者に対して、労働者の安全および健康を守る措置を講じることを求めています。さらに、安全衛生教育の実施が法律内で義務づけられていることからも、安全大会は「安全衛生教育の方法の1つ」として広く認識されています。
また、安全衛生への意識を高めるために、安全大会の実施は重要な役割を果たすことも忘れてはなりません。経営者から現場の作業員まで、さまざまな階層の方たちが一堂に会して安全について確認し合うことで、組織全体の一体感も生まれます。
これらの理由から、安全大会は法律で直接義務づけられていないものの「開催するほうが望ましい」といえるでしょう。
建設業の安全大会|開催時期はいつ頃がよい?
建設業での安全大会は、7月の「全国安全週間」に合わせて開催される傾向にあります。
全国安全週間は、毎年7月1日~7日に開催され、実施要綱では安全週間中の安全大会開催を推奨しています。そのため、多くの建設会社がこの指針に従い、安全週間の前後に設定しています。
令和6年度も7月7日から1週間、全国安全週間が実施されました。
厚生労働省は2024年度のスローガンを以下のように決定したことを発表しています。
令和6年度の「全国安全週間」スローガン
危険に気付くあなたの目 そして摘み取る危険の芽 みんなで築く職場の安全
毎年公募しているスローガン。ぜひ一度応募してみてはいかがでしょうか。
安全大会実施の頻度は、年1回以上が理想です。通常の業務に支障がないのであれば、半年に1回程度の開催ができると安全に対する意識をより高められるでしょう。
また、季節や工事の進捗に合わせた開催も効果的です。例えば、夏(7〜8月)には熱中症対策に重点を置いた安全大会、冬(12〜1月)には凍結や積雪による事故防止をテーマにした安全大会などです。基礎工事完了時や上棟時など、作業内容が大きく変わるタイミングでの開催もよいでしょう。
安全大会を成功させるためのポイント
安全大会を成功させるには、開催方法の工夫や大会の内容が重要です。
ここでは、成功のポイントを3つご紹介します。
オンラインでの開催を検討する
安全大会をオンラインで開催すると、場所や時間の制約が減り、より多くの方が参加できます。動画やスライドを使って分かりやすく説明したり、チャット機能で質問を受け付けたりすることで、安全に対する理解を深められるでしょう。
また、アーカイブ配信もおすすめです。当日参加できなかった方が、後日アーカイブ動画で内容を確認できるからです。さらに、遠隔地の現場とも簡単につながることができるため、参加者の交通費や移動の手間がかかりません。
このように、安全大会のオンライン開催には多くのメリットがあります。「ライブ配信」と「アーカイブ配信」の2つを組み合わせ、うまく活用しましょう。
「ヒヤリハット」の事例を用意する
ヒヤリハット事例とは、大きな事故にはならなかったものの、危うく事故になりそうだった出来事のことです。例えば「足場のボルトが緩んでいて転びそうになった」「重機の死角に人がいて接触しそうになった」といった事例です。
安全大会でこれらの事例を共有すると、参加者は「自分の現場でも起こりうる」と身近に感じ、注意深くなります。例えば、ある作業員が「昨日、はしごを登っているときに滑りそうになった」と話せば、他の人も「はしごの点検をしっかりしよう」と考えるようになります。
さらに「どうすれば防げたか」をみんなで話し合うことで、新しい安全対策のアイデアが生まれます。こうして、全員で安全について考え話し合うことで、現場全体の安全意識が高まります。
外部講師を招く
安全大会に外部講師を呼ぶと、新しい考え方や専門的な知識を学べます。
外部講師は人前で話すプロなので、参加者を退屈させずに講演ができます。例えば、クイズを交えたり実演を行ったりして、参加者が楽しみながら学べるでしょう。
また、他の業界での事例など、普段の仕事では聞けないような話を聞くことができ、自分たちの安全対策をさらに良くするヒントが得られます。
講演のあとに質問の時間を設ければ、日頃疑問に思っていたことを直接聞くことができるので、より理解が深まるでしょう。
安全大会の開催は義務ではないが安全のために推奨されている
安全大会の開催は義務ではありませんが、現場の作業員の命と安全を守るために、最低でも年1回の開催が推奨されています。建設業は労働災害による死亡者数が他の産業と比べて多く、特に危険を伴う仕事であることが統計から分かります。多くの企業が、毎年7月に実施される全国安全週間に合わせて安全大会を開催しているので、この時期を目安に計画を立てるのも1つの方法です。
講師派遣の専門サイト「講演サーチ」には、安全大会の講演が可能な講師が多数在籍しています。講師選びに不安のある方は、ぜひ一度無料相談へお問い合わせください。