ノンバーバルコミュニケーションとは?講師が使える非言語のテクニック
この記事では、ノンバーバルコミュニケーションとは何かや重要性、効果的な活用法を解説しています。表情や声のトーン、ジェスチャーなどの非言語的要素がいかにメッセージの伝達に大きな影響を与えるかを探り、特に講師業での実践的な応用方法をご紹介します。
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ノンバーバルコミュニケーションとは?講師が使える非言語のテクニック
目次
- ノンバーバルコミュニケーションとは?講師が使える非言語のテクニック
- ノンバーバルコミュニケーションとは
- ノンバーバルコミュニケーションの具体例
- バーバルコミュニケーションとは
- ノンバーバルコミュニケーションの重要性とは
- 講師業にも役立つノンバーバルコミュニケーション
- ノンバーバルコミュニケーションの効果やメリット
- ノンバーバルコミュニケーションで気をつけること
- 伝えたい内容を明確にする
- 相手の理解度に合わせる
- コミュニティや文化の違いに気をつける
- ノンバーバルコミュニケーションを取り入れる方法
- 声で感情を表現し、抑揚とスピードでメッセージに強弱を
- 聴衆を惹きつける間とタイミングを意識しよう
- 視線と姿勢で自信を表現しよう
- 近すぎず遠すぎず心地よい距離を保とう
- TPOに合わせた清潔感のある身だしなみを意識しよう
- まとめ
ノンバーバルコミュニケーションとは
ノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)とは、文字通り言語に頼らないコミュニケーション方法を指します。英語では「non-verbal communication」と表現され、「話す」「メッセージを書く」など言葉を使うコミュニケーション以外の意思伝達方法全般が含まれます。
具体的なノンバーバルコミュニケーションの例は以下です。
・表情や顔色
・声のトーン
・話すスピード
・ジェスチャー
・視線
・姿勢
・服装や髪形
・香り
こうしたノンバーバルな要素は、人とコミュニケーションを図るうえで言葉よりも大きい役割を果たす場面があります。私たちは日常的にこれらの要素を無意識に、時には意識的に使い分けているのです。
ノンバーバルコミュニケーションの具体例
さまざまなノンバーバルコミュニケーションの具体例と、その一般的な解釈を表にまとめました。
これらの解釈は文化や状況によって異なる場合があることに注意してくださいね。
非言語行動 | 一般的な解釈 |
---|---|
いつもより視線を逸らす | 内気さ、退屈、疑念、不同意の表れ |
いつも以上に目を見つめる | 挑戦的、誠実さ |
両腕を胸の前で組む | 警戒心、無意識の反応、集中、よそよそしい |
鼻に触れる | 嘘をついている(ピノキオ効果)、臆病 |
耳や髪に頻繁に触れる | 嘘をついている、緊張、新しい髪型が気になる |
歯間で空気を吸う、首を傾げる、後頭部を掻く | 否定的反応、異物感、首の不快感 |
目を閉じる | 深い集中、無関心、倦怠感、反発心 |
黙っている | 肯定、否定、同調、面子を保っている |
バーバルコミュニケーションとは
人々が互いに理解し合うための手段は多岐にわたりますが、なかでも最も直接的なのが言葉を介したやり取りです。これを「バーバルコミュニケーション」と呼びます。
バーバルコミュニケーションには、以下のさまざまな要素があります。
・対面での会話
・文字による表現
・印刷された情報
・デジタル媒体を通じたメッセージ
特に、オンラインでのやり取りにおいてバーバルコミュニケーションは重要です。例えばメールやSNSでのやり取りでは、言葉が唯一の伝達手段となることが多くなります。言葉選びや使い方が極めて大切といえるでしょう。
ノンバーバルコミュニケーションの重要性とは
ノンバーバルコミュニケーションの重要性を示す有名な理論として、「メラビアンの法則」があります。
この法則によると、人がコミュニケーションを取る際に受け取る情報を100%とすると、その内訳は以下のようになります。
人が受け取る情報の割合
・言語情報(言葉の内容):7%
・聴覚情報(声のトーン、口調、大きさ、話す速さなど):38%
・視覚情報(ジェスチャー、視線、表情など):55%
メラビアンの法則からわかるのは、バーバルコミュニケーションよりも、非言語のノンバーバルコミュニケーションによるメッセージのほうが、はるかに大きな影響力を持っているということです。
この法則は、どんなに素晴らしい言葉を並べても7%しか伝わらない一方、たどたどしい言葉でも表情や声のトーンなどによっては93%も伝わる傾向があることを示しています。
講師業にも役立つノンバーバルコミュニケーション
講師業では、ノンバーバルコミュニケーションは特に重要です。なぜなら、講師は聴講者の注目を集めながら情報を効果的に伝達し、理解と興味を促す必要があるからです。
適切なノンバーバルコミュニケーションを講演に用いれば、講師は以下の効果を得ることができるでしょう。
・聴講者の注目を集められる
・講演内容をより印象的に伝えられる
・信頼関係が築ける
・講演の雰囲気をコントロールできる
講師業に特に役立つノンバーバルコミュニケーションの例は、以下の通りです。
・笑顔:聴講者への親しみやすさと自信を表現する
・笑声:講演会の雰囲気を和らげ、聴講者との距離を縮める
・笑みしぐさ:講師の誠実さが伝わる
・アイコンタクト:聴講者の注意を引き付ける
・頷き:聴講者の発言や反応に対する肯定的な反応を表す
・首を傾げる:疑問を示す
・手のジェスチャー:重要なポイントを強調する
・姿勢:自信と熱意を表現して聴衆の信頼を得る
・声の抑揚や間の取り方:重要な情報を強調して聴衆の注意を引き付ける
一方で、以下のようなノンバーバルコミュニケーションは講演中には避けるべきでしょう。
・無表情:聴講者との距離感を生み、関心がないように見える
・腕組み:防衛的な印象を与え、聴講者との心理的な壁をつくる
・足を組む:リラックスしすぎた印象を与え、プロフェッショナリズムに欠ける
・手を後ろに隠す:不誠実さや自信のなさを感じさせる
・視線を合わせない:聴講者との接点を失い信頼関係の構築を妨げる
意図しない印象を与えないためにも、どのような非言語メッセージがあるか知っておくだけでもよいでしょう。言葉以外の部分で聴講者と適切にコミュニケーションをとれるほか、相手の表情から理解度をはかれるようになりますよ。
ノンバーバルコミュニケーションの効果やメリット
ノンバーバルコミュニケーションを意識的に活用することで、以下の効果やメリットが期待できます。
・言葉では伝えきれない感情や微妙なニュアンスを補完する
表情や声のトーンなどを通じて、言葉だけでは表現しきれない感情や意図を効果的に伝えることができます。
・相手に安心感を与え、信頼関係につながる
適切なアイコンタクトや笑顔などで聴講者に安心感を与え、講師との信頼関係を築くことができます。
・聴講者の本当の気持ちや反応を読み取る
聴講者のノンバーバルな反応(表情、姿勢、目の動きなど)を観察することで、理解度や興味度合を把握し、講演会の進め方を適宜調整できるでしょう。
・印象に残る講演にできる
適切なジェスチャーや表情を用いることで、講演内容をより印象的に伝え、聴講者の記憶に残りやすくなります。
・聴講者の注目を集め、集中力を維持できる
声のトーンや身体の動きを効果的に変化させれば、聴講者の注目を集めて長時間の講演でも集中力を維持できます。
・講演会の雰囲気をコントロールできる
ノンバーバルコミュニケーションを通じて、講演会の雰囲気(フォーマルまたはカジュアル、活発または静寂など)を適切にコントロールできるでしょう。
ノンバーバルコミュニケーションで気をつけること
ノンバーバルコミュニケーションを講演会で効果的に活用するために、以下3つのポイントに注意しましょう。
伝えたい内容を明確にする
ノンバーバルコミュニケーションを用いてコミュニケーションを効果的に行うためには、まず自分の考えを整理して明確にしましょう。
特に明確にしたいのは、以下の3点です。
・自身の主張や伝えたいメッセージ
・聴講者のニーズや期待していること
・聴講者の背景や理解度
これらを十分に把握せずに講演を行うと、伝えたい内容がぼやけてしまうかもしれません。反対に、上記3つの要素を十分に考慮して準備すれば、より効果的に自分の考えを伝えることができるでしょう。
相手の理解度に合わせる
ノンバーバルコミュニケーションを多用するのは避けましょう。相手の理解度にあわせて活用しなければ、以下のような状況を招くおそれがあります。
・主観的な展開しか望めない
相手の反応や理解度を考慮せずに、自分の感覚だけでノンバーバルコミュニケーションを使用すると、コミュニケーションが一方的になりかねません。
・単なる自己満足で終わってしまう
相手のニーズや理解レベルを無視して過剰にジェスチャーなどを使うと、自己満足と捉えられ、聴講者との意思疎通を妨げる可能性があります。
効果的にノンバーバルコミュニケーションを活用するためには、常に相手の反応を注意深く観察し、理解度に合わせて適切に調整することが不可欠です。相手の表情、姿勢、反応を読み取り、それに応じてコミュニケーションスタイルを柔軟に変更することで、より効果的で双方向的なコミュニケーションを実現できます。
コミュニティや文化の違いに気をつける
ノンバーバルコミュニケーションの解釈は、文化や地域によって大きく異なる場合があります。国際的な環境で講演会を行う際は、特に注意が必要です。例えば、ジェスチャーやアイコンタクトの適切な頻度は文化によって異なります。
また、聴講者にさまざまな文化的背景がある場合は、できるだけ普遍的で誤解を招きにくいノンバーバルな表現を使用するよう心がけましょう。
ノンバーバルコミュニケーションを取り入れる方法
これまでノンバーバルコミュニケーションの意味や重要性について解説しました。
ここでは、効果的なノンバーバルコミュニケーションを講演会に取り入れるポイントについて解説します。
声で感情を表現し、抑揚とスピードでメッセージに強弱を
声のトーンやスピードは、感情を乗せ、メッセージに強弱をつける効果的なツールです。重要なポイントを強調したい時は、少し低く落ち着いた声で、ゆっくりと話してみましょう。
反対に、情熱や興奮を伝えたい場合は、高めの声でテンポよく話すことが効果的です。
大切なのは、常に会場の最後列まで声が届くよう、十分なボリュームを意識することです。自信を持って話せば、聞き手も自然と耳を傾けてくれますよ。
聴衆を惹きつける間とタイミングを意識しよう
話すタイミングや間は、聞き手の集中力を維持し、メッセージをより深く伝えるための重要な要素です。特に重要な情報の前後には少し間を置いてみましょう。聞き手が内容を反芻する時間を与えられるため、理解を深めることができます。
また、一方的に話し続けるのではなく、聴衆の反応を見ながら適切なタイミングで次の話題に移ったり、質問を投げかけたりすることで、双方向のコミュニケーションを促進することも重要です。
視線と姿勢で自信を表現しよう
視線や姿勢、ジェスチャーは、言葉以上に人の自信や誠実さを伝えます。話している間は一点を見つめるのではなく、会場全体に視線を配り、すべての聴衆と目を合わせましょう。
また、背筋を伸ばし、堂々とした姿勢を保つ意識も欠かせません。見た目から自信を感じられる人は、話の内容に説得力があり、信頼感があるものです。非言語的なメッセージを効果的に用いて、説明を視覚的に補完し、より分かりやすく、記憶に残るメッセージを届けてみてくださいね。
近すぎず遠すぎず心地よい距離を保とう
相手との物理的な距離は、心理的な距離に影響を与えます。近すぎると相手に圧迫感を与えてしまい、遠すぎると親近感が薄れてしまいます。
適切な距離感は、状況や関係性によって異なりますが、一般的には、親しい間柄であれば1メートル以内、ビジネスシーンなどでは1.2~1.5メートル程度が適切とされています。
相手の様子を観察しながら、心地よい距離を保つように心がけましょう。
TPOに合わせた清潔感のある身だしなみを意識しよう
服装や持ち物などの外見は、その人の内面や価値観を映し出す鏡であり、第一印象を大きく左右します。講義の内容や聴衆者に合わせた服装を選ぶことはもちろん、清潔感のある身だしなみを心がけましょう。
また、持ち物は必要最小限に抑え、整理整頓することで、スマートな印象を与えることができます。
まとめ
ノンバーバルコミュニケーションは、言葉よりも効果的にメッセージを伝える手段です。適切に活用することで、講演の効果を大きく高められるでしょう。ただし、文化や状況によって解釈が異なる場合があるため、多用しすぎないことが重要です。
講演会ではノンバーバルな表現を意識し、聴講者の反応を読み取る能力を磨くことで、より効果的な双方向のコミュニケーションが可能です。
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