人材育成に活用できるフレームワーク7選|講演依頼のプロが解説する人材教育に役立つ手法と活用のポイント!
本記事では人材育成を進めるとき、使い方次第で大きな力を発揮する人材育成に活用できるフレームワークをご紹介します。
講演依頼のプロであるアクト・パートナーズが、ビジネス教育に役立つ5つの手法と活用のポイントをお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
人材育成に取り組みたいけれど、一体何から始めるとよいのでしょうか。
効果的な施策を探しているなら「フレームワーク」の活用がおすすめです!
経営目標を達成するために人材育成を計画したいものの、効果的な手法が確立できずに手探り状態になっていませんか?
組織を構成する大切な要素である人材を価値ある存在に育て上げるのは、企業にとっては無視できない課題ですよね。
アクト・パートナーズが運営する講演サーチは、講師派遣や講演依頼を承っております。人材育成をテーマにした講師も多数登録がございますので、ぜひお気軽に無料相談フォームよりお問い合わせください。
人材育成に活用できるフレームワーク7選|講演依頼のプロが解説する人材教育に役立つ手法と活用のポイント!
目次
フレームワークとは
「フレームワーク(Framework)」とは、「輪郭」や「大筋」を意味する言葉です。ものごとの枠組みや骨子と言い換えることもできるでしょう。
ビジネスにおけるフレームワークとは、組織で共通して持つ考え方や事業戦略および方向性といった枠組みを意味します。
ゼロから施策やアプローチ方法を考えるのは、時間や労力のロスにつながります。しかし、過去の成功例などをもとに確立されてきたフレームワークを活用すれば、成功例を追体験しやすくなるのです。
世界でさまざまなフレームワークが提唱されているため、それぞれの特徴を踏まえたうえで自社に合ったフレームワークを選ぶと、迅速かつ的確に成長が見込めるでしょう。
人材育成におけるフレームワークとは
「経営の三要素」という言葉があるように、ビジネスにおいて人的資源は欠かせません。働く人がいなければ事業を存続することすらままならないからです。
そのため、企業や団体などの組織にとって「自社に合った人材をいかに育て大切にしていくか」は重要な課題となるでしょう。
しかしながら「人材育成」が指す範囲は幅広く、どこからどう手を付ければよいのかと悩む担当者は多いものです。
ここで役立つのがフレームワークです。
会社が望む人材に成長するために必要な考え方や取り組みを分析および整理しながら、自社にぴったりの教育方針や育成計画を立てるために効果があります。
成功例をもとにしたフレームワークを活用し、従業員一人ひとりにやりがいを感じてもらいながら成長できる組織運営が実現できるようになるでしょう。
なお近年は「情報」「技術」をくわえるべきとの意見もあります。
さまざまなシーンで使えるフレームワークですが、人材育成に活用できる枠組みも数多くあります。
人材育成に活用できるフレームワーク7選と活用のポイント
人材育成に活用できるフレームワークはどのようなものがあるのでしょうか?
さまざまなフレームワークのなかでも特に人材育成と相性のよいフレームワークを7つご紹介します。
・カッツ理論
・HPI(Human Performance improvement)
・SMARTの法則
・ロミンガーの法則(70:20:10フレームワーク)
・思考の6段階モデル
・カークパトリックモデル
・氷山モデル
それぞれ、活用のポイントとともにみていきましょう。
カッツ理論
アメリカの経済学者ロバート・カッツ氏によって提唱された「カッツ理論」は、多くの組織運営に活用されているフレームワークです。カッツ理論は管理職層に求められる3つのスキルを提示しており、3つのスキル習得を目指すことでマネジメント層の育成に役立ちます。
その3つのスキルとは、
①コンセプチュアルスキル(概念化力)
②ヒューマンスキル(対人関係能力・人間理解能力)
③テクニカルスキル(業務遂行能力・専門能力)
です。
さらにカッツ理論では、職位が上がるほど、管理者として求められるスキルレベルは高くなるとされています。
職位は上層から順に、
1.トップマネジメント:経営層(幹部や社長)
2.ミドルマネジメント:中間管理職(課長や部長)
3.ロワーマネジメント:下級管理職(係長や主任)
の分類です。
階層ごとに必要なスキルが明らかになっているため、それぞれの職位に応じた育成計画や方針が立てやすくなるでしょう。管理者として必要な力をスムーズに習得できるようになるため、部下との連携も滞りなくできる可能性が高まります。
マネジメント層の育成に役立つことから、カッツ理論は上層部の意思決定を部下などに周知する「トップダウン型」の組織で特に役立つでしょう。
活用のポイント
3つのスキルは研修やOJTで身に付けられます。各層に必要なスキルに重点をおいた教育がポイントです。
コンセプチュアルスキルを示す概念化力を身に付けるには、論理的思考を磨くことが重要となるため、集合研修でじっくりと学習するのが一般的です。
テクニカルスキルは業務に直結する部分なので、実践の場で学びを深められるOJTが効果を発揮します。
ヒューマンスキルは人との接し方に関わり、集合研修はもちろんOJTの実践の場で折衝の力を高められるので活用しましょう。
HPI (Human Performance Improvement)
HPIは人そのものに焦点を当てて、対象となる社員の仕事ぶりに注目したなかから改善点を見い出す方法です。一人ひとりが各自の仕事をきっちりとこなし、本来求められる役割を果たしているか、理想と現実のギャップをあぶり出します。
HPIでは、組織の課題発見と改善をスムーズにするフレームワークで、以下の5つのステップに沿って進められます。
1.パフォーマンス分析および現状とのギャップの洗い出し
2.ギャップの原因を分析
3.原因を解決するための施策を策定
4.施策の実行
5.施策実行後の効果検証・評価
経営目標などの理想と、現状とのギャップが大きい組織は、組織の成長が思うように進みません。改善策を講じてずれを修正し、組織が正常に機能する理想の状態まで導く必要があるのです。そのためには改善策を試みたあとに、どのような結果につながったか分析し、効果検証を続けていくことが大切です。
活用のポイント
HPIは「人材」という観点から組織の抱える課題をあぶり出すフレームワークです。さらに、経営目標や事業計画といった指針に基づいて、どのような育成計画が適しているのかを明らかにしてくれます。
そのため、企業の理想と大きく乖離せず、自社に本当に必要な人材を育成しやすいのが特徴です。
例えば職場内でリーダーシップを求められている人が、なかなか力を発揮できず壁にはばまれているケースをご紹介します。
リーダーとしての力量が不足している、周囲から適任として認められないなど、原因はさまざまあるため調査する必要があります。原因にもよりますが、効果のある対策として「フォローアップ研修で資質を身に付ける」「周囲が協力できるよう雰囲気づくりを進める」などが浮上するでしょう。
HPIの効果を最大化するには、改善策の実施後もじっくりと様子を観察して、計画どおりに現状が改善されるか定期的なチェックを行うことが大切です。
SMARTの法則
目標設定の際によく使われるフレームワークとして「SMARTの法則」が挙げられます。
「SMART」とは、目標を達成するために必要な要素に由来しています。
S(specific) 具体的でわかりやすい
M(measurable) 測定可能である
A(achievable) 達成可能である
R(relevant) 関連している
T(time-bound) 期限が明確である
SMARTの法則で重要とされる5つの要素を押さえていると、適切な目標設定が可能となります。
この法則を使って誰が見ても明確でわかりやすい目標を設定すれば、従業員の段階的な成長を促せるでしょう。また、目標達成後はより高度な目標を設定して、人材の成長を促進できます。
活用のポイント
「SMARTの法則」は繰り返し活用することでその効果を発揮します。「目標を立て、それを達成して終わり」となっては、その後の成長は期待しにくいと言えます。
5つの要素を確実に押さえた目標設定を繰り返し行い、目標の達成レベルや難易度を少しずつ上げていきましょう。いきなり難易度を上げると従業員のモチベーション低下や、習得すべきスキルや経験が抜けてしまいかねないので注意が必要です。
ロミンガーの法則(70:20:10フレームワーク)
ロミンガーの法則は、リーダーシップを発揮するための重要な要素を比率で表したもので、何が大事なポイントになるか示されています。
具体的には「人が成長する7割は業務経験、2割が他者からの薫陶、1割は研修」だとするものです。
この比率から「70:20:10フレームワーク」と呼ばれることもあります。
ロミンガーの法則は、アメリカのロミンガー社が経営者に対して行った「リーダーシップの発揮のために役立ったこと」という調査結果をもとに提唱されました。
リーダーシップを発揮するための要素
70%・・・仕事の経験
20%・・・他者からの薫陶(くんとう)
10%・・・研修
仕事の経験が7割を占めていることから、適切なリーダーとなるには現場での実務経験や現場に触れられる環境が欠かせないとわかります。リーダーを育成したい場合は、経験を重視し、研修にばかり注力することのないよう留意するとよいですね。
活用のポイント
先人が大切にしてきた3つの要素をうまく取り入れれば、優れたリーダーを育てられます。
リーダーに必要な要素の7割が「業務経験」だからといって、残りの「薫陶」と「研修」を軽視しては危険です。3つの要素がバランスを保っていることで、優れたリーダーが生まれる点に注意しましょう。
おすすめなのはOJTのような実務経験を得ながら学べる機会を設けることです。
思考の6段階モデル
「思考の6段階モデル」は、教育心理学者のベンジャミン・ブルーム氏が提唱しました。
ブルーム氏は、人材教育における思考を6つのステップに分類して、それぞれの能力向上が教育に必要だと説きました。
思考の6つの段階とは、
レベル1:知識・・・事実、言葉、方法などの基本的な内容を知っているか
レベル2:理解・・・内容を理解しているか、言い換えや自らの言葉で説明できるか
レベル3:応用・・・知識を他のシチュエーションや業務に活用できるか
レベル4:分析・・・全体の中から要素を引き出すことができるか、要素を一つずつ説明できるか
レベル5:統合・・・各要素や分析内容を組み合わせて統一できるか、要素から結果を導けるか
レベル6:評価・・・基準を参照して情報の価値を判断できるか
人材教育を進めていくなかで、上記の各ステージに沿った教育プログラムを設定することで、その分野の専門性を高いレベルにできるでしょう。
活用のポイント
6段階のそれぞれで求められる水準に到達できるよう、学習と実践を繰り返して実力を試す必要があります。インプットした知識をアウトプットに回せば、体に染み込ませるスピードも早まるでしょう。
大切なのは6つの段階を丁寧に踏襲することです。レベル1と2を混同せずしっかりと知識を身につけてから次の段階に進んだり、レベル4に未達なのにレベル5の教育プログラムに進んだりすべきではありません。
中途半端にせず一つひとつの段階を経て丁寧に教育すると、十分な効果を感じられるでしょう。
カークパトリックモデル
カークパトリックモデルは、アメリカ経営学者ドナルド・カークパトリック氏によって提唱されたフレームワークです。
カークパトリックモデルは、教育の効果を以下の4段階で測ることができるとしています。
レベル1:reaction(反応)
レベル2:learning(学習)
レベル3:behavior(行動)
レベル4:result(業績)
レベル1の「反応」は、研修の満足度などから判断できます。レベル2「学習」は研修の理解度や学習到達度、レベル3「行動」は研修後にみられる行動変化や実践行動の有無、レベル4「業績」は行動により生じた組織の変化および業績の投資対効果を意味します。
カークパトリックモデルを使って段階的にレベルアップを図ると、研修や人材育成計画の最適化が実現できるでしょう。
活用のポイント
各レベルに到達したかどうかは、客観的に判断しなければなりません。研修をしたからレベル3の行動に移れるだろうと認識するのではなく、実際に行動の変化があったのかを現場の声を聞いて確認する必要があります。
正しくカークパトリックモデルを活用すれば、効率的に人材の成長を促進できるはずです。
氷山モデル
「氷山の一角」という言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。これは「物事のごく一部分だけが外に現れているさま」として用いられる言葉です。
ビジネスにおいても、氷山の一角だと言える事象は数多く起きています。組織が認識している課題は実は表面的なもので、別の部分に本質的な課題があるケースは少なくありません。
「氷山モデル」は、表面化した課題だけでなく、その課題の要因がどこにあるのかを知って根本から解決を図ろうとする考え方です。
物事の全体像をとらえると、問題の要因や関連する事柄が明らかになります。俯瞰しながら課題に向き合えるため、本質的な問題解決が可能となるでしょう。
活用のポイント
人材育成においては、氷山の一角となっている表面上の課題は結果に過ぎません。水面下にある本当の問題は、例えば個人の知識またはスキル不足、従業員の意識レベルの差、個人の行動特性などの可能性があります。
常に俯瞰して物事をとらえ、従業員一人ひとりの育成計画に反映していきましょう。
人材育成には講演サーチの活用がおすすめ
アクト・パートナーズ株式会社が運営する講演サーチは、身近で役立つテーマで講演する多彩な講師陣が所属しています。
フレームワークに並ぶモデル化された独自の考え方を持ち合わせている講師も多く登録されています。自社の人材育成にマッチした世界観を持つプロフェッショナルを見つけ出し、講演を開催してみましょう。
実績を積んできた専門家の講演を聴くことで、新しい引き出しが増えるため、有益な機会となるのは間違いありませんよ。
まとめ
組織に合ったフレームワークを採用することは、人材育成の有効なツールの1つになってくれます。講演サーチが送り出す講師陣とタッグを組めば、有用なフレームワークを使うのと同じ効果を生み出せるでしょう。
まずは講演サーチに無料相談をしてみて、じっくりと比較検討したうえで組織の課題解決に役立つ講演会開催を検討してはいかがでしょうか。