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新人が定着する職場づくり:居場所を確保し、早期退職を防ぐための実践法【三上康一講師特別コラム】

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新人が定着する職場づくり:居場所を確保し、早期退職を防ぐための実践法【三上康一講師特別コラム】

執筆講師

三上康一(みかみ こういち)
株式会社ロードサイド経営研究所代表取締役

三上康一さんお写真三上康一(みかみ こういち)

■はじめに: 新人が感じる「居場所のなさ」が早期退職の原因に

新たに雇用した人材が早期に退職してしまう原因の一つに「居場所のなさ」が挙げられます。人は誰しも、所属感を得たいという欲求を持っており、新しい職場では「自分はここに馴染めるだろうか」という不安を感じるのは自然なことです。この不安を解消し、安心して力を発揮してもらうためには、心理的な安全性が確保された「居場所」を作ることが不可欠です。

そこで、新人スタッフが職場に「居場所」を見つけ、早期に環境に適応するための効果的な初期教育と、既存スタッフとのスムーズなコミュニケーションを促進する手法について、具体的に解説していきます。

■OJTの課題と改善策:新人育成の初期段階での工夫

新規に採用した人材を育成する手段としてOJT(On-the-Job Training)を実施している企業は多いと思います。OJTとは、職場で実際の業務を通じて行う教育・訓練のことです。従業員が日々の仕事をこなしながら、実務を通じてスキルや知識を習得する方法を指します。OJTは、座学などの研修とは異なり、実際の作業や業務プロセスを体験しながら学んでいく点が特徴です。ですが、以下のようにOJTがうまく機能しないケースは意外と多い印象があります。

OJTを実施している最中に、トレーナーが別の業務に当たらざるを得ず、指導を受けている新人が放置される「OJTというほったらかし」があります。これが相次ぐと、新人が自分は戦力として期待されていないのではないかと猜疑心を抱いてしまい、退職のリスクが高まります。

また、OJTを最後までやりきることができず、不十分な状態のまま「あとは実践で覚えていきましょう」という建前で、新人を無理に現場に立たせる「OJTというぶっつけ本番」も発生しがちです。これをやらせた結果、新人がミスを犯してしまい、自己嫌悪に陥ってしまうと退職のリスクが高まります。

私がかつてガソリンスタンドの運営会社に勤務し、現場で店長を担っていた際も、上記の課題に悩んでいました。ですが、以下の方策により、OJTを改善した結果、新人が早期に退職してしまうケースが激減しました。

■OJTの改善ポイント

(1)トレーナー担当の変更

それまで、当店では店長や店長代理など管理職がOJTのトレーナーを担当していましたが、比較的キャリアの豊富なアルバイトスタッフにトレーナーを担当していただくこととしました。

アルバイトスタッフは常に現場にいますので、常に新人に寄り添うことができ、OJTという「ほったらかし」や「ぶっつけ本番」は発生しにくくなりました。また、OJTを終えた後も、メンター役として寄り添うことができ、新人スタッフのミス予防という効果も得ることができました。

(2)トレーナー用マニュアルを作成する

トレーナーを担当するアルバイトスタッフと店長でOJTトレーナー用のマニュアルを作成しました。これにより、トレーナーが教えるべき内容が深く理解でき、本人の成長が促進されました。

(3)トレーナーに対するフォローアップをする

トレーナーを担当するアルバイトスタッフと店長で1対1の個別面談を実施し、トレーナーとして抱えている課題や疑問点を共有しました。これにより、新人の指導に対するやりがいも高まっていきました。

■トレーナーを担う効果

トレーナーとして教えるという行為は、知識やノウハウをアウトプットするということですが、これにより、しっかり教えることのできる知識・ノウハウとそうでない知識・ノウハウが明確になっていきます。しっかり教えることのできない知識・ノウハウは、補完することで本人のスキルアップに繋がります

上記のスタッフにOJTトレーナーを任せるようにしてしばらく経った頃、彼が突然「店長、車はなぜオイル交換をしなければならないのでしょうか」と質問をしてきたことがありました。

なぜその質問をしたのかを彼に聞いたところ、OJTをしている中で新人からこの質問を受けたものの、しっかり説明できなかったので聞きにきたとのことでした。私は、彼にオイル交換の必要性は教えていたつもりでしたが、今一度その必要性を丁寧に説明しました。

その後、彼のオイル販売実績が急上昇しました。なぜそのようになったのか興味を持った私は、彼がお客様にオイル交換をおすすめしているシーンに立ち会ったところ、オイル交換をするべき理由をきちんと説明していることがわかりました。このようにして彼は仕事のやりがいを深めていきました。

■社員化のサイクル:アルバイトスタッフから正社員へ

このアルバイトスタッフは当時大学生だったのですが、卒業を控えて当社への就職を希望しました。その理由は、人材を育成する楽しさを手放したくないというものでした。結果として彼は正社員になりましたので、新たに別のアルバイトスタッフにOJTのトレーナーを担っていただきました。新たなトレーナーを担った彼も大学生だったのですが、やはり卒業を控えて当社に就職を希望してきました。その理由はやはり人材を育成する楽しさを手放したくないというものでした。

このようにして、新人が育つだけでなく、アルバイトスタッフが正社員になるという循環が発生し、慢性的な人材不足を解消することに繋がっていきました。

■顔と名前を覚える工夫:職場内コミュニケーションを促進する方法

新規に採用された人材は、多くの先輩を抱えることになります。先輩方は新人の顔も名前もわかりますが、新人にしてみると、先輩方の名前と顔が一致しないのは当然です。これが居心地の悪さに繋がり、早期退職のリスクを高めます。

そこである小売店では、模造紙に全従業員の名前、写真、住まい、趣味などを掲載し、従業員が使用する休憩室に貼り出しました。

新人は休憩中にこれを興味深く見ることで、先輩方の顔と名前が一致しやすくなるとともに、模造紙の内容をもとに、コミュニケーションが早期に円滑化しました。結果として、新人の居心地が早期に良くなることとなり、定着率の向上に繋がりました。

この事例では模造紙を用いましたが、自店専用の共有サイトを作成したり、SNSアカウントを取ったりして、そのサイトに同店が模造紙に掲載した内容を掲載し、スマートフォンで見ることが出来るようにすれば、職場でなくとも情報を共有することが可能になります。

また、同店は先輩方の情報を公開しましたが、新人の情報も掲載することによって、コミュニケーションはより円滑化するでしょう。

■まとめ:新人が安心して力を発揮できる環境作りが企業の成長を支える

新規に採用した人材が職場に定着するためには「居場所の確保」が何より重要です。新人が職場に馴染み、安心して力を発揮できる環境を整えることが、早期退職の防止に繋がります。そのためには、心理的な安全性を確保し、既存の人材との円滑なコミュニケーションを促進することが不可欠です。

具体的には、OJTの効果的な実施や、職場内での人間関係を深める工夫が重要です。新人を支えるメンターシステムや、顔と名前を一致させるためのツールなどを活用することで、新人は安心して働ける環境を手に入れることができます。

さらに、アルバイトスタッフがトレーナーとして活躍することで、指導の質や本人の成長速度が向上し、さらなる人材の固定化が可能になります。このような取り組みは、チーム全体のモチベーションや業務の質向上にも繋がります。いかにして新人が職場に馴染み、活躍できる環境を整えるかが、企業の成長を支える重要な要素となるのです。

執筆講師

三上康一(みかみ こういち)
株式会社ロードサイド経営研究所代表取締役

21年間ガソリンスタンドの運営会社に勤務し、17か所の現場を経験。店長としての13年間で、赤字店舗の4年ぶり黒字転換、2店舗においてガソリン販売量新記録達成(自店比)などの実績を挙げる。

2008年(平成20年)に中小企業診断士取得。翌2009年(平成21年)に創業。

三上康一さんお写真三上康一(みかみ こういち)
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