人材育成のよくある悩みとは?新入社員の早期離職の理由と【折れない新人】の育て方
新人の一生は最初の数年間の教育に全てがかかっているといっても過言ではありません。
新人教育の重要性は多くの人事担当者がご存じかと思います。
多くの人が悩む人材教育。
特に新人に対するアプローチには多くの担当者が悩むのではないでしょうか。
今回は、「折れない新人の育て方」と題して、新人たちとの上手な接し方のポイントをご紹介します。
新人教育のよくある悩み5選
目次
新人教育は、企業や団体に新しく入ったメンバーをより効果的に育成するための重要な過程です。 新人教育が適切であれば、新人は当面で業務に取り組むことができ、組織の目標達成しかし、実際には多くの困難を伴うことが多いです。
新人教育のよくある悩みを5つご紹介します。
カリキュラムの過剰または不足
自社の新人教育プログラムはある程度固まっているなら、一度その内容を見直してみましょう。
もしかすると、教育の内容が多すぎたり、逆に不足していたりするかもしれません。
情報過多または不足は、効率的に学びを吸収できなかったり、必要な知識やスキルを習得できなかったりする要因です。
新人教育の「ゴール」を明確に定義することで、どんな知識やスキルを伝えるべきかが見えてきます。
最初から情報を詰め込む必要はありません。新人の成長度合いに合わせて、段階的に必要な知識を伝えることが大切です。
自社の新人教育プログラムを見直したら、その後も定期的に見直しを行いましょう。
IT化やDX化が注目される近年はITスキルの重要性が増しているように、時代の変化とトレンドによって新人に求められるスキルや知識が変わってくると考えられるためです。
教育に実体験が伴わない
新人教育のカリキュラムでは、「研修」と称して座学を実施する企業は多いのではないでしょうか。座学のように、ただ座って人事担当者の話を聞くような知識だけを伝える形式の教育は、実務に役立ちにくいといえます。
実際、新人教育を受けて「あまり変化がない」「仕事に役に立っていない」「時間の無駄」と感じている新人が多いのも事実。できれば身になる教育を受けて欲しいですよね。
教育プログラムの内容を見直し、「体験学習」を意識して改善しましょう。
ケーススタディやロールプレイ、実際の業務を模倣したシミュレーションなどを取り入れ、実践的な経験を増やすことが大切です。
実際に体や手を動かして得た学びは忘れにくいため、実務でも大いに役立ちます。講演サーチのような講師派遣会社に依頼して、楽しく学べる研修・講演をしてくれる講師を探すのもおすすめです。
メンターや先輩のサポート不足
入社したばかりの新人は、右も左もわからない状態です。
誰に聞けばいいのか
そもそも何をすればいいのか
わからないことがわからない…
そんな状況であることを考慮し、「相談しやすい」環境づくりができているでしょうか。
新人が上記のような状況にある場合、メンターや先輩のサポートが不足している可能性があります。
新人にはメンターや先輩を割り当て、定期的に進捗のチェックや個人的な悩み相談の機会を設けましょう。
「困った時に頼れる人がいる」という安心感は、新人のメンタルにとって意外と重要な要素です。
メンタルケアと同時に、折れにくいメンタルを育てることも欠かせません。メンタルコントロールやマインドセットなどの研修の実施が効果的です。
組織文化と価値観の伝達の不足
新人が組織文化や価値観を理解していないと、自社の雰囲気にマッチせず不満がたまります。チームワークが良くならず、業務効率が悪くなる可能性があるので、組織文化と企業の価値観は共有しておくようにしましょう。
オリエンテーションやワークショップを通して企業理解を深める機会を作りましょう。
組織のミッションやビジョン、大切にしている価値観を明確に伝えることが重要です。
ミッションの共有なんて教育に必要?と感じるかもしれません。
しかし、同じ方向性で仕事に取り組めないと将来的に大きな齟齬が生まれる可能性があるのです。
業務量の少ない新人であっても、変わりません。むしろ、将来管理職になるときに組織の考え方に従って意思決定ができるように、新人のうちから組織の考え方を伝えておきましょう。
評価とフィードバックの不足
新人が自分のパフォーマンスを正しく認識できず、成長の機会を逃してしまうことはよくあります。これは、新人の業務に対する評価とフィードバックが不足しているからです。
新人は自分のパフォーマンスが同僚や先輩と比較して高いか低いか判断できません。修正すべき点も気づきにくいものです。
そのため、適切なフィードバックがなければ気づきの機会も成長の機会もないままになってしまいます。
定期的な評価とフィードバックのセッションを設けると効果的です。
一人ひとりの強みや改善点を共有し、個々の個性や能力を伸ばすことに重きを置くように心がけましょう。
フィードバックをする際は、周囲に人がいない個室で話すような配慮が必要です。
具体的で建設的なフィードバックを提供することで、新人がアドバイスや意見を取り入れやすくなります。
人間関係は離職理由になる
最初が大変なのは当たり前。苦労してこそ力がつくというものです。
新人の精神的負担が増えないように、優しく見守る姿勢も大切ですよ。
人間関係は離職理由として非常に一般的です。 特に企業や組織に関しては、業務内容や報酬(給与)、キャリアアップの機会などの具体的な要素も大切ですが、同僚・上司・部下との人間関係の質が日常の業務の満足度やモチベーションに大きく影響します。
以下は、人間関係が離職の原因となる具体的な状況の例です。
上司との関係
新人にとって、仕事の評価をする存在であり、日々関わる上司との関係性は重要です。
上司が部下の意見や感情を尊重しない
適切なフィードバックやサポートを提供しない
無理な要求をする
などの行動は、気づかぬうちにやりがちです。
このような職場環境は新人の精神的な負担につながり、早期離職する理由になります。
同僚との関係
仕事の進め方やコミュニケーションスタイルの不一致、嫉妬や競争心からくる摩擦など、同僚との関係が悪化すると、業務に対するストレスや不満が増大することがあります。
例えば、昼は職場の全員でランチに出かけることが息抜きになる人がいれば、負担になる人もいます。一人ひとりの行動にできる限り制限がなく、「働きやすい」と思える環境づくりが重要ですね。
ハラスメント
セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなど、職場内でのハラスメントは明らかな離職理由となることが多いです。
昨今は社会の目がより厳しくなり、ハラスメントも多様化しています。アルコールハラスメントなど、かつては「飲みニケーション」などと言われていた宴会の場も、今ではハラスメントと感じられるかもしれません。
企業は新人だけでなく、上司や同僚に対してハラスメントにあたる行動や適切な対応をしっかり教育しておく必要があります。
人間関係のトラブルは、精神的なストレスや不安を考えることが多いです。
一見すると仕事には関係ないようにも思えますが、精神的負担は業務効率を下げ、従業員満足度を低下させます。
そのため、組織や企業は、良好な人間関係を築くそのための環境作りや、トラブルが発生した際の適切な対応が求められます。
折れない新人教育には上司の成長がカギ
将来に期待を持って入社してきた若者が、たった3年で3割もの人材が何らかの理由で辞めていくというのです。
いろんな事情がありますが、あまりにも早く、勿体ないことではないでしょうか。
リクナビNEXTの調査によると、退職理由のランキングは次のような結果だったそうです。
3位:労働時間・環境が不満だった
2位:仕事内容が面白くなかった
1位:キャリアアップしたかった
この退職理由を見ると「人間関係に関することが1つもない」と気づくかもしれません。
人が気持ち良く働き、自身のパフォーマンスを最大化するには、周囲との良好な関係性が大きく関わってきます。どれだけ能力があっても、いつも「早くやれ」と急かされていたり、一緒に雑談できなかったりする関係性では、転職を考えるのは自然です。
人間関係の悩みは、多くの人が経験しているはず。それを踏まえて退職理由ランキングを見てみると、これは「タテマエランキング」といえるのではないでしょうか。では、本音のランキングはどうだったのでしょうか。
実際のランキングは、
3位:上司・先輩とうまくいかなかった
2位:労働時間・環境が不満だった
1位:上司の仕事の仕方が気に入らなかった
です。
働く環境は人がすべて。それがわかるランキングですね。一緒に働いている上司・先輩に好感を抱いていたら、退職する確率はグンと減るはずです。
でも、人間は感情の生き物です。
頭では分かっていても、無意識に「嫌だ」となったらそこから逃げてしまうのです。そこをどう止めるのか、そもそも「嫌だ」と感じさせないにはどうするべきなのか、そこが折れない新人を育てるために欠かせないポイントです。
「折れない新人の育て方」というタイトルではありますが、その裏には「新人の心を折らない上司の育て方」という意味が含まれています。
企業が新人教育に取り組む際は、ぜひ上司や先輩の教育も視野にいれてみましょう。
新人の離職を防ぐ6つの方法
新人の離職を防ぐための方法には、様々なアプローチが考えられます。
ここでは新人の早期離職を防ぐための、具体的な方法を6つご紹介します。
メンタリング制度の導入
メンタリング制度とは、組織内で経験や知識が豊富な者(メンター)が、経験が浅い者や新入社員(メンティー)に対して、業務上のアドバイスなどを行うことです。
新人にとってメンターは「困った時に頼れる兄貴」のような存在となるでしょう。
気軽に質問や悩みを打ち明けられる存在を定めておくことで、不安や悩みをすぐに解消できるようになります。知識の吸収がはやくなり、よりスピーディに業務知識が身につくこともメリットです。
定期的なフィードバック
新人の業務の進捗や成果に対するフィードバックを定期的に提供することで、一人ひとりが自分の力量や改善点を客観的に見直せます。
上司の主観で話すのではなく、数値などを用いてフィードバックを行うことが大切です。主観が入ると、新人がその意見に納得できず、逆に不満をつのらせてしまうでしょう。
フィードバックの際は、新人が自発的に話しやすい雰囲気づくりが欠かせません。上司から一方的に話すのでは、新人の思いや考えをヒアリングできない上、上司が気づいていない悩みの抽出ができなくなります。
オンボーディング プログラムの強化
オンボーディングの目的は、新しいメンバーが組織にスムーズに溶け込み、初期に最大限のパフォーマンスを発揮できるようサポートすることです。
入社直後の新人が、組織の文化や業務フローを理解するためのオンボーディングプログラムを充実させると早期離職防止につながります。これは、入社当初からオンボーディングに取り組むことで、新人の不安や疑問を早期に解消できるからです。
ワークライフバランスの確保
近年の働き方改革の影響もあり、ワークライフバランスを重要視する人材が増えています。仕事とプライベートの両立は、精神的な安定のためにも不可欠だといえるでしょう。
企業は、新人はもちろん従業員がワークライフバランスを確保できる職場環境を整える必要があります。そうすることで、新人の定着率を高め、パフォーマンスを最大限に発揮できる環境を築けるのです。
講演会の開催
新人が企業や業界の先輩エキスパートから直接知識や経験を学ぶことは、モチベーションの向上やビジョンの共有に役立ちます。
適切なテーマの講演会を定期的に開催することで、新人は自分がどのようなキャリアを進むべきか、仕事の進め方、メンタルコントロールなどの面でヒントやインスピレーションを得ることができます。その結果、組織への貢献意欲や満足度が高まると期待できるでしょう。
また、講演会の対象は新人だけでなく上司や同僚であっても良いでしょう。新人との関わり方を知っていれば、新人の不満や不安にいち早く気付けるはずです。
リモートワークの導入
2020年から流行した新型コロナウイルスの影響や働き方改革の推進を背景に、リモートワーク(テレワーク)や在宅勤務を導入する企業が増えています。従来のようにオフィスに出勤するより、通勤の手間なくオンラインで業務が完結するリモートワークは人気の働き方です。
なかには、新型コロナの5類移行を受けて、リモートワーク廃止を検討する企業があるかもしれませんが、それはおすすめしません。出勤しなくて良く、基本的に好きな場所で働けるリモートワークを廃止すると、従業員が不満を抱く可能性があるからです。
新しい働き方をぜひ受け入れて、「古い」働き方を強要しないことが大切ですね。
新人育成には講演会の活用がおすすめ
「新人の心を折らない上司」を育てるには、講演会を活用すると効果的です。
もちろん、講演という短い時間では得られる情報に限りがあります。
しかし、経験豊富な講師陣からの情報は深い気づきとなり、企業成長のきっかけになるでしょう。
では、実際に上司はどのような関わり方をするべきなのでしょうか。
講演サーチでは、「仕事から得られる価値を伝える」ことが大切だと考えています。
何も自慢話を語れという訳ではありません。上司が仕事を通してどのように成長してきたのかを語るということです。
最初からスーパースターな人はいないでしょう。誰しもが人にはあまり語ったことのない、辛い過去の経験や体験を持っているのです。
でも、そこを乗り越えてきたから今のような明るい現在を手に入れているのです。
講演サーチでご紹介している講師陣のほとんどは、失敗だらけの人生から這い上がってきた経験を持っています。
同様に、新人が関わりを持つ上司にも
「そんな過去があったんだ」
「もしかしたら私にもできるかも」
とワクワクさせられる上司を育成することが大切です。
もちろん仕事は辛いことのほうが多いかもしれません。
それでもこの仕事にはやり続ける価値があると伝え続けられる、そんな格好いい上司がいれば、新人の良いお手本となってくれるでしょう。
その伝え方を上司に学んでいただくために有効なのが、新人教育や部下との関わり方を学ぶ講演会なのです。
講演依頼・講師派遣なら講演サーチ
講師派遣の【講演サーチ】では、新人だけが学ぶのではなく、教育担当者やマネジメント層も共に学ぶことをご提案いたします。
新人には新人研修などを長年担当しているプロフェッショナルから、そして教育担当者やマネジメント層に関しては、OJTやマネジメント研修で数多くの実績を持つプロフェッショナル講師から、講演という形で学んでいただきます。ぜひ一度、【講演サーチ】が一押しするプロフェッショナルな講師陣から、新人育成のきっかけをつかんでみてはいかがでしょうか。
新人育成や上司育成に精通した講師陣をご紹介いたします。講師によって様々な事例、ノウハウを持っています。「このやり方がベストです!」ではなく、より自社に合う講師から学んでみてくださいね。
といっても「講師の選び方がわからない!」と悩むことがあるかもしれません。
そんなときはぜひお気軽に【講演サーチ】の無料相談をご活用ください。
組織全体で新人教育に取り組もう
多くの人が悩む人材教育には、社内の協力が欠かせません。昨今の働き方改革や労働人口の減少にともない、人材不足に悩む企業が増えているなか、自社に必要な人材を確保するのは容易ではないでしょう。
特に新人との関わり方を間違えると、早期離職の要因となります。
「折れない新人」を育てるためにも、新人の気持ちに寄り添った人材教育を実施していきましょう。
新人が個人の力を最大限発揮するためには、新人のみならず、同じ職場の先輩や直属の上司、部署の管理者などへの教育も重要です。
個性や能力を発揮できる場所づくりに努め、自社にマッチする人材を育てていきましょう!
こちらもおすすめ