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櫻木隆志氏【マーケティング】

商売・ビジネスを再定義する【櫻木隆志講師特別コラム】

商売・ビジネスを再定義する 櫻木隆志-さくらぎたかし
11905-1サクラギタカシ 櫻木隆志-さくらぎたかし
執筆講師
櫻木隆志(さくらぎ たかし)
(株)南九州デジタル 取締役笑倍繁盛事業部長
「笑倍繁盛 絆の会」主宰

商売・ビジネスを再定義する【櫻木隆志講師特別コラム】

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今の時代の「売れない理由 第1位」

モノが売れない、顧客が増えない。
多くの企業が抱える悩み。

その原因は何でしょうか?

商品、価格、売り方、営業力、広告、マーケティング、、、いろいろな原因が考えられます。

しかし、今の時代の売れない理由の第1位は、それらのどれでもない場合が多いです。

では何が原因か?

それは「商売・ビジネスの定義」です。

? ? ?

意味がわかりませんね。順を追って説明します。

ちなみにあなたは、「商売」や「ビジネス」の定義を答えられますか?

商売とは何か、ビジネスとは何か、それを明解に答えられますか?

実際に辞書を引くと、以下のように書かれています。

【商売】
利益をあげる目的で物を売り買いすること

【ビジネス】
個人的な感情を交えずに利益の追求のみを目的として進める仕事

引用:
コトバンク「商売
コトバンク「ビジネス

つまり、辞書に書かれている定義では、商売もビジネスも「利益目的で行われること」となっています。辞書に書かれているくらいなので、これが今の社会における正解であり、常識です

でもこの商売やビジネスの定義、すなわちこの常識こそが、今の時代にモノやサービスが売れない一番の理由だということに、気づいている人は少ないと思います。

なぜ売れないのか?

テレビ、新聞、チラシ、スマートフォン、、、私たちは朝起きてから夜寝るまで、家でも会社でも、街中でも電車の中でも、数え切れないほどの広告に囲まれています。

そして私たち現代人は、そうした売ろうとする情報や活動に対して、強い警戒感や抵抗感を持つようになりました。

– 見知らぬ番号からの電話は無視する
– セールス訪問は玄関先でお断り
– チラシやダイレクトメールは見ないで捨てる
– WEB広告はブロックする

こうした行動は、もはや現代人の「当たり前の習慣」となっています。売ろうとする活動やメッセージ、つまり商売・ビジネスに対しては、無視・スルー・ブロックするのが当たり前になっています。

私たちは商売・ビジネスの人(=利益目的の人)には会いたくないし、電話も受けたくない、チラシも広告も見たくないのです。

だから、訪問も電話もメールもチラシも、商売・ビジネスだと思われた時点で拒絶またはスルーされます。つまり、辞書に書かれている定義どおりの商売・ビジネスだと思われること、それが今の時代にモノやサービスが売れない最大の理由なのです。

商売・ビジネスを再定義する

中には、「私は利益だけを追求するような仕事はしていない」という人もいるでしょう。そういう会社もあるでしょう。しかしこれは世間の常識や共通認識の問題です。

辞書に書かれているような商売観、ビジネス観が常識的な考えになっているので、普通にやっていたら利益目的だと思われるのです。

ではどうすれば良いのでしょうか。その答えが、商売やビジネスの定義を書き換えること。

つまり、商売・ビジネスの再定義です。あなたなりの、あなたの会社なりの、商売やビジネスの再定義を行うことです。

従来の定義:「利益を上げる目的でモノを売り買いすること」
 ↓
新しい定義:「人や社会の幸せのためにモノを売り買いすること」

私は「商売」をこのように定義しなおして、便宜的に「笑倍」という文字を使うようにしています。商売=利益目的、笑倍=幸せ目的、ということです。

そして、『売る人も買う人も笑顔で、売ろうとしなくても自然に売れて繁盛する』そんな状態を『笑倍繁盛』と定義して、その研究をしてきました。

そうすると、「商売は繁盛しにくいが、笑倍は自然に繁盛する」ということが分ってきました。

商売・ビジネスを再定義すると何が起こるか?

「幸せ目的って、それで本当に利益は出るの?」
「そんなのきれいごとでしょ!」

よくそう言われますが、実際に「売上・利益目的」から「幸せ目的」に商売・ビジネスを定義しなおして、発信する情報や売り方等を変えていくと、いろんな変化が起こります。

冒頭で書いたように、「売上・利益第一」のビジネスは人々から拒絶されたりスルー(無視)されたりしますが、「幸せ第一」に転換すると、以下のような変化が起こります。

– お客様が話を聞いてくれる
– お客様も自分の話をしてくれる
– お客様のニーズや困りごとがわかる
– 信頼関係を構築できる
– 本当に役立つ商品やサービスを提案できる
– 信頼できる人に安心して依頼できる
– お客様は商品やサービスに加えて、信頼できる人から買える喜びも得られる
– お客様に喜ばれる・感謝される
   ・
   ・

などなど、多くの変化が起こります。売る人も買う人も笑顔で、お互いに幸せを感じながら、自然に売上があがるようになります。

では、売上・利益目的の人と、幸せ目的の人の違いを、以下で詳しく見ていきましょう。

「売上・利益目的の人」と「幸せ目的の人」の違い

利益目的の人は、とにかく会ってもらうことが難しいです。なんとか会えても話を聞いてもらえない、チラシやメッセージも読んでもらえない、そういう高い壁が最初にあります。

その壁を乗り超えるために、より目立つ広告、よりキャッチ―なコピー、より押しが強い電話や訪問、、、になりがちで、そうなるとますます会いたくない、聞きたくない、見たくない、、、といった拒絶反応が強まります。運良く話ができても、防衛的で警戒して身構えたコミュニケーションになり、本音は言ってもらえません。商談は駆け引き的で、腹の探り合いになります。

それでも売れる人は売れますが、多くの場合、売っている本人は仕事が楽しいとは思えていない場合が多いです。

一方で幸せ目的の人は、その思いや姿勢が伝われば、会ってもらいやすいです。話も聞いてもらえるし、お客様も本音で話をしてくれます。その会話は商売の交渉というよりも、仲のいい友人同士の会話に近いものになります。

顧客の本音が聞けるので、より顧客にとって価値のある提案ができます。自然な流れで売れるし、顧客にも喜ばれます。

売る側も仕事が楽しくて充実感を得られます。そうして売る人も買う人も笑顔で商売が行われます。

利益目的の商売は、単発的な商売になりやすく、リピートがあった場合も1回1回が価格や条件の交渉となります。他店と価格比較されたり、相見積りになったりします。売り手も買い手も毎回腹を探り合いながらの商売となります。

幸せ目的の商売は、自然とリピートが発生します。お客側から「何かあったらあの人に相談する」という真っ先に相談する相手、頼りにする人として認知され、他社他店と比較されることはなくなります。

売り手と買い手の関係性がどんどん親密になり、どんどん顧客のニーズや要望を深く理解した提案ができるようになり、顧客はいちいち細かく希望を言わなくても自分の事情や希望をくみ取って提案・提供してもらえるので、満足度がどんどん高くなります。

このように、利益目的の商売と幸せ目的の商売は、同じ商品・サービスを売るとしても、さまざまな面で大きな違いが生まれ、その違いがどんどん大きくなっていきます。

時代の大転換期には再定義が必要になる

私たちは今、時代の大転換期を生きています。今までの常識や当たり前が変わる、そんな時代です。今までの常識が時代に合わなくなり、新しい常識がつくられていきます。古い常識の上で成り立っていたものは衰退していき、新しい常識に合ったものが求められ、支持されていきます。

「売上・利益第一」という商売の定義やあり方は、時代遅れになりつつあります。そうした商売は支持されなくなり、新しい定義、新しい常識、新しいあり方の商売が求められています。そうした商売を具現化し提示していくと、多くの人に共感され、熱烈に支持されます。

大事なことは、今の時代がどういう時代なのかをしっかり理解すること、そして今の時代に合った自社のビジネスを再定義することです。

今回は、その前提となる、商売・ビジネスの再定義について考えてきました。次回は、自社や自分自身の再定義について、具体例も交えて考えていきます。

<新しい時代の商売で重要なこと>
– 利益ではない何かのためにやっているという、理念や使命を明確にする
– 理念や使命ファーストの経営を行う
– 理念や使命と利益が両立するビジネスの仕組みを構築する

「売上・利益」か「顧客の幸せ」か、これは二者択一ではありません。むしろ、顧客の幸せを第一に考えることで、結果として持続的な売上・利益を実現できる―それが「笑倍繁盛」の本質なのです。

まとめ

今のようなモノが売れない時代には、従来どおり(常識どおり)の利益目的の商売は、売れにくくなっています。がんばればがんばるほど敬遠されて、それでもがんばると嫌われて、どんどん売れなくなっていきます。

営業マンに発破をかけても、ノルマを課しても逆効果です。原因は、商売・ビジネスの定義の問題です。今の時代に合わせて商売・ビジネスに対する根本的な考えや目的を考え直すこと、商売・ビジネスを再定義することが、現状を大きく変えるカギとなります。

今の時代に合わせて、あなたなりの(あなたの会社なりの)「商売・ビジネスの再定義」をしてみてはいかがでしょうか。

売上や利益に悩む多くの企業やビジネスパーソンにとって、新たな希望が見つかるかもしれません。

11905-1サクラギタカシ 櫻木隆志-さくらぎたかし
執筆講師
櫻木隆志(さくらぎ たかし)
(株)南九州デジタル 取締役笑倍繁盛事業部長
「笑倍繁盛 絆の会」主宰

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