人手不足解消の鍵!面接すっぽかしを防ぐための実践マニュアル【三上康一講師特別コラム】

人手不足解消の鍵!面接すっぽかしを防ぐための実践マニュアル【三上康一講師特別コラム】
目次

執筆講師
三上康一(みかみ こういち)
株式会社ロードサイド経営研究所代表取締役
■はじめに
自社の求人広告を見た応募者から連絡があり、採用面接の日時を約束したにもかかわらず、面接に訪れないケースがあります。既存スタッフにしてみると、人手不足の中で身を粉にして働く辛さから逃れられるという期待が打ち砕かれることとなり、面接のすっぽかしが相次ぐと士気の低下にも繋がっていきます。この記事では、そのような面接すっぽかしをゼロにするための方法をご紹介します。
■応募者の「今すぐ働きたい!」を逃さない:スピード対応の重要性
求人広告を見た応募者は、電話やネット上のお問い合わせフォームで連絡をしてこられます。電話で連絡を受けた場合は、電話をとったスタッフが採用担当者でなくても、その場で面接の日程を決めることがポイントです。ネット経由のメッセージであれば、即レスが理想的であり、やはり早めに面接日程を決定することが重要です。
これが、採用担当者から折り返し電話させるということで、一旦電話を切ってしまったり、メッセージへの返信が翌日以降になってしまったりすると、問い合わせをしてきた応募者の気持ちは萎えていきます。そのため面接日程を決めても、当日にすっぽかしが発生してしまうリスクも高まります。
問い合わせの連絡をしてきたということは、貴社で働きたいと思う気持ちがピークになったからこその結果とも解釈できます。その高いモチベーションを維持したまま、採用面接に漕ぎつけるためには、日程の決定に時間をかけるべきではありません。日程の決定まで待たされることで他社の求人に流れてしまうリスクも高まってしまいます。
よって採用担当者は、スタッフと採用面接が可能な日時を共有しておき、電話をとったスタッフが、面接日程を決めることができるようにしておく必要があります。お問い合わせフォーム経由の場合も同様で、店長や採用担当者だけでなく、スタッフもお問い合わせ内容を見ることができるようにし、見た人が即レスするようにしておくと、面接日程の決定が迅速化できます。
この場合、電話の対応マニュアルや、メッセージへの返信フォーマットを作っておくと、より効率的に進めることが出来るでしょう。
■第一印象で心を掴む!プロも実践する魔法の電話対応
【笑顔を出す】
電話で応募者に対応する場合は、「笑顔」を出しましょう。電話では表情は見えませんが、人は相手の声のトーン・話し方だけで感情を読み取ることができます。電話を介したやり取りであっても、笑顔を出しながら話すことで、相手には明るい、親しみやすい印象を与えることができます。電話対応は、応募者との最初の接点となる重要なコミュニケーションであり、第一印象は、その後の自社の印象に大きく影響を及ぼします。
また、応募者は不安を抱きながら問い合わせをしてくる場合が多いものです。そんな時、笑顔で対応されることで、安心感を得ることができます。
【声のトーンを高くする】
音が心身に与える影響の専門家である山﨑広子氏の著書「声のサイエンス」では、高い声のトーンが持つ重要な役割について、脳科学や心理学の研究結果に基づいて以下の内容が解説されています。
・若々しく、活発な印象を与えます。
・自信があり、誠実な印象を与え、説得力を高めます。
・喜びや嬉しさといった前向きな感情を表現します。
声のトーンを高くすることは、上記のように良い印象を与え、応募者との関係性構築に有効といえます。そのことは面接のすっぽかしの防止に役立つでしょう。
■リマインドは「おもてなし」:面接前から始まる企業イメージ戦略
面接日時を忘れることが無いように、リマインドの連絡をする場合は少し工夫を加えると大きな効果が期待できます。ある飲食店では、面接前日に応募者へ電話をして「明日の面接で飲み物を準備しますが、コーヒーかお茶で温かいものと冷たいものを用意できます。どちらがご希望ですか?」と尋ねることによって、面接をすっぽかされてしまうケースをゼロにすることができました。
面接前日に、当日の飲み物を尋ねるという行為は、応募者にとって大きな意味を持ちます。これは、翌日のリマインドを促すだけでなく、応募者一人ひとりに寄り添い、快適な面接環境を提供しようとする企業の姿勢の表れと解釈できるからです。
応募者は面接に臨む際、大なり小なり緊張や不安を抱くものです。そんな中で、企業側が飲み物の好みを尋ねてくれることは、応募者への気遣いとして暖かく感じられ、応募者の事業者へ対する関心や働く意欲を高める効果があります。
面接前に丁寧な対応を受けることで、応募者は「この企業は自分にとって良い職場かもしれない」という印象を抱き、入社への意欲が高まります。
面接前に飲み物を尋ねるという「おもてなし」は、企業イメージの向上にも繋がります。応募者は、面接を通して企業の雰囲気や文化を肌で感じることができます。丁寧な対応を受けることで、応募者が抱く事業者への好感度が高まり、面接の約束を無視しにくくなります。
■当日を「見える化」する:応募者の不安をゼロにする事前準備
上記のリマインドの際には、交通手段を聞き、それに応じた道案内をすることも理想的です。スマホのナビゲーションシステムを使っても、絶対に目的地まで迷わずに到着できるとは限りません。迷ってしまうと、時間通りに到着できなかったという罪悪感が大きくなり、面接に臨むことを諦めてしまうリスクも発生します。
そこで、利用する交通機関を聞いた上で、スムーズに到着できるポイントをお伝えすることが効果的です。ある事業者は、自社で応募者の到着を待つのではなく、最寄駅で待ち合わせをして、自社へご案内することにした結果、すっぽかしがほとんどなくなりました。
また、車や自転車で来られる場合は、それらの置き場所や、自社に着いてからどこに向かい、どの人にどんなことを伝えればよいのかも事前に示すことで、面接に至る場面がイメージできることから、面接すっぽかしのリスクが低下するでしょう。
例えば、「当日に弊社へ到着したら、隣接する駐車場の1番から5番の空いている場所に車を停めて下さい。建物入り口の左側にあるレジ担当のスタッフに、名前を名乗り『今日、●時から面接の約束があるのですが、担当の△△さんは、おられますか』と伝えてください」というように、どのスタッフにどう話しかければいいのかも伝えましょう。
■もしもの時に備える:遅刻への対応を伝える
応募者が面接当日に、予期せぬ事故や渋滞などに巻き込まれ、面接開始時刻に遅れてくることがあります。このような場合に、気持ちが折れてしまって面接をすっぽかしてしまうリスクが発生しがちです。遅刻が避けられない場合に、応募者がどのような行動をとるべきかを、面接の日時を決定した時やリマインドをする際に伝えておきましょう。具体的には以下のように伝えるとよいでしょう。
■まとめ
面接すっぽかしを防ぐためには、迅速な対応と応募者に対する細やかな配慮が欠かせません。応募者が抱く「今すぐ働きたい!」という気持ちを逃さないためには、即決で面接日程を決め、第一印象を良くするための電話対応を心掛けることが大切です。また、リマインド時に飲み物の好みを聞くことで、応募者の気持ちを高めることができます。さらに、面接当日に迷わないように行動を「見える化」し、遅刻が発生した際の対処法を事前に伝えておくことで、自社に対する信頼感の醸成に繋がります。
これらの実践的な対策を講じることで、面接すっぽかしを防ぎ、応募者の意欲を維持しながら、スムーズな採用プロセスを進めることができます。人手不足の解消と、職場環境の向上に繋がる人材採用を実現するために、今すぐ実行できるこれらのポイントを取り入れていきましょう。

執筆講師
三上康一(みかみ こういち)
株式会社ロードサイド経営研究所代表取締役