近年注目の【気象災害】とは?気象庁による災害一覧と企業が実施できる具体的な対策
この記事では、気象災害や企業が実施すべき防災対策について解説します。
この記事を読めば、気象災害に関する企業防災の具体策について理解が深められます。ぜひご覧ください。
気象災害は具体的にどんな災害なんだろう?
企業ができる防災対策って何があるの?
気象災害は、大雨や強風などの気象現象によって発生する災害です。
地球温暖化の影響もあり、ここ数年では毎年大きな気象災害が発生していますよね。
だからこそ今、企業が防災対策に取り組む必要性が高まっているのです。
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近年注目の【気象災害】とは?気象庁による災害一覧と企業が実施できる具体的な対策
目次
気象災害とは
気象庁では、気象災害を「大雨、強風、雷などの気象現象によって生じる災害」と定義づけています。
気象災害は複数種類ありますが、ここでは主な気象災害の用語とその意味を紹介します。
大雨害 | 短時間の激しい雨によって河川の氾濫や土砂災害が発生する被害。 |
洪水害 | 河川の水位が上昇し、堤防から河川敷へ氾濫する現象。床上・床下浸水被害が発生。 |
浸水害 | 主に豪雨によって下水道などの排水機能を上回る大雨が降ることで生じる冠水・浸水被害。 |
土砂災害 | 大雨等でゆるんだ土砂が崩れ落ちる現象。がけ崩れや地すべりなどが含まれる。 |
水害 | 広義では水の害作用によって生じる災害全般の総称。 |
風水害 | 台風や集中豪雨によって引き起こされる風害と水害をあわせた総称。 |
熱中症 | 高温多湿な環境下で水分・塩分の摂取が不足することにより起こる障害。 |
参考:気象庁「気象災害に関する用語」
気象災害は、地球温暖化などの影響で発生頻度や強度が高まる可能性が指摘されており、一層の対策が求められています。
大きな気象災害と原因
日本で発生した主な気象災害について、詳しく解説します。
過去数年間に日本で発生した重大な気象災害の事例や、将来発生が予測される気象災害の情報を掲載しています。
気象災害が頻発する原因も解説していますので、ぜひ参考にしてください。
気象災害一覧(2019年以降)
以下は、2019年以降に日本で起きた、大きな気象災害の一覧です。
2019年 | 台風15号(9月) | 関東甲信を中心に大荒れ |
2019年 | 台風19号(10月) | 関東全域と東北南部で未曾有の大雨となり甚大な被害 |
2020年 | 豪雨(7月) | 大分・熊本を中心に大雨と土砂崩れが発生し、首都圏でも大雨警報発令や多数の浸水被害が発生 |
2021年 | 大雨(8月) | 西日本から東日本の広範囲で大雨 |
2022年 | 台風14号(9月) | 関東甲信で浸水や土砂崩れなど大きな被害 |
2023年 | 大雪(1月) | 首都圏含む関東甲信越で記録的大雪 |
2023年 | 九州北部豪雨(6月) |
九州地方を中心とした大雨 |
この一覧からもわかるように、日本では毎年災害が発生し、その都度甚大な被害をもたらしています。
特に大雨などによる水害が頻繁に起き、防災対策の重要性は年々増しています。
年々増加する気象災害の原因は地球温暖化…?
地球温暖化は、気温の上昇を引き起こし、気象災害の増加の原因になっていると指摘されています。
科学的な研究によると、1901年からの30年間と比較して、最近30年間の大雨の発生は1.7倍に増加しました。また、1976年からの10年間と直近の10年間を比較すると、短時間強雨は1.4倍に増えています。
これは、地球温暖化が日本の降水パターンに著しい変化をもたらしていることを示しているのです。
国土交通省白書2022に掲載されている「1 気候変動に伴う災害の激甚化・頻発化」によると、近年の異常高温により世界的にも大雨の被害が広がっていることがわかります。
(注)2015 年から2021 年までの主な異常気象・気象災害を抜粋して掲載(気象庁「世界の年ごとの異常気象」)。
資料)気象庁公表資料をもとに国土交通省作成画像引用:国土交通省白書2022「1 気候変動に伴う災害の激甚化・頻発化」図表Ⅰ-0-1-4世界の主な異常気象・気象災害(2015年~ 2021 年発生)
今後も地球温暖化の影響を受け続けることが予測されており、1日に200ミリ以上の降水量を記録する日数や、短時間強雨の発生頻度が増加すると考えられています。
これは、将来的にさらなる気象災害のリスクを高める要因となるでしょう。
企業が実施すべき気象災害対策
日本での気象災害は増加傾向にあり、今後も同様の傾向が続くでしょう。
このため、企業においても防災意識を高め、災害対策の徹底が求められています。
企業の気象災害対策として重要な「防災対策」と「BCP対策」について解説します。
防災対策
防災対策は、災害発生時にヒトやモノの被害を最小限に抑えるために行います。企業で取り組まれる防災は「企業防災」とも呼ばれ、取り組むべき義務です。
具体的には、下記のような取り組みがされます。
・避難経路の確認
・避難訓練の実施
・非常食や毛布などの備蓄
・防災マニュアルの作成
・防災意識向上のための研修
など
企業に関わる、すべてのヒトやモノの安全の確保を第一に考え対策をしましょう。
BCP対策
BCPとは、事業継続計画のことを指します。
BCPは、災害発生時などの緊急時に事業の損害を最小限に抑え、業務の早期復旧を目指すための計画です。
BCP対策を講じることで、発災時に事業を中断させない、中断したとしても早期の事業再開が可能となります。BCPを作成しておけば、損失を抑えるだけでなく、顧客からの信頼も高まるはずです。
気象災害による被害で事業が継続できなくなる前に、BCPの策定や見直しをぜひ行いましょう。
企業防災については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
【具体例3選】企業の気象災害対策
日本の大きな気象災害は、台風や大雨などによる被害です。そうした気象災害に備え、企業はどのような対策が取れるのでしょうか。
具体的な対策例を3つご紹介します。
・備蓄品の用意
・防災マニュアルの作成
・従業員の防災意識向上
それぞれ詳しく解説します。
備蓄品の用意
気象災害や地震などの緊急事態に備え、帰宅困難になった従業員や関係者などのために備蓄品を確保することは大変重要です。
例えば東京都では、条例で企業がストックすべき備蓄品や数量が決められています。「東京都帰宅困難者対策ハンドブック」を参照すると具体的な内容が確認できるため、ハンドブックにしたがって準備しておくことをおすすめします。
備蓄品の例 | 3日分の量(1人あたり) |
水 | 9リットル |
主食 | 9食分 |
毛布 | 1枚 |
防災マニュアルの作成
災害は突然起こります。冷静な判断ができるよう、防災マニュアルを準備しましょう。
防災マニュアルには、慌てずに適切な判断や行動ができるための役割はもちろん、発災前に従業員の行動指針や役割分担を明確にしておく目的もあります。
防災マニュアルは作成して終わりではありません。
普段から従業員も内容を理解し、災害時に行動すべきことや自身の役割について認識しておく必要があります。
防災マニュアルの周知には、従業員に配布をするだけでなく、説明会の機会を設けましょう。防災訓練や防災研修の開催も、内容を浸透させるために効果的です。
従業員の防災意識向上
先述した防災対策を十分にしても、従業員が内容を理解していなければその効果を存分に発揮するのは難しいでしょう。
対策を万全にするためには、平常時から従業員の防災意識を向上する活動がとても重要です。
例えば、備蓄品を用意したら社内で情報を共有しましょう。
「どこに」
「なにが」
「どのくらい」
あるのかを明確にし、社内向けに情報発信をします。
備蓄品の更新があれば、その都度共有すると良いでしょう。
他にも、従業員の防災意識向上には講師による講演会も効果的です。例えば気象予報士が講師となり、気象災害や異常気象にまつわる防災などを従業員に講演します。災害時のリスクや対策を学ぶことができ、従業員の防災意識が高まります。
適切な講師選びが難しい場合は、講演サーチなどの講師派遣サービスを利用するのもよいでしょう。
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まとめ:気象災害の発生リスクを知って適切な対策を!
気象災害は毎年大きな被害をもたらし、今後も地球温暖化の影響を受けながら増え続けるとされています。
企業のヒトやモノ、事業を守るために災害対策を万全にしましょう。
対策は準備するだけでは機能を発揮できません。日ごろから従業員の防災意識を高めるために取り組むのも重要です。
従業員の防災意識向上には、講演会の開催が最適です。
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