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早期離職とは何年まで?データでみる近年の若手の離職動向を解説

この記事では早期離職とは一般に何年以内の離職なのかを紹介します。
また最新データに基づいた近年の早期離職動向や若い世代の転職イメージについてもあわせて解説するので、早期離職がもたらす企業への影響を知り、離職防止を図りましょう。

早期離職とは何年まで?

日本の早期離職率はどのくらいなんだろう……。

近年の早期離職動向とともに「早期離職」について知っていきましょう!

若手の早期離職が増えていてどうすればよいか困っていませんか?

実は大卒者の入社3年以内における早期離職率は、ほぼ横ばいに推移しています。そのため、早期離職が減らなくて悩む人もいるでしょう。
この記事では、早期離職とは何年までを指すのか、早期離職率の最新データを紹介します。また、若手社員が考える転職のイメージや、早期離職が招く企業のデメリットについてもあわせて解説しています。

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早期離職とは何年まで?


早期離職とは何年までに離職したケースを指すのでしょうか。

一般的には、入社3年以内の若手社員が離職することを「早期離職」といいます。

若手社員の定着は、企業にとって大きな課題のひとつで、早期離職を防止する対策が求められています。

入社後間もない社員が退職すれば、企業は採用や研修に費やしたコストを回収できません。また、新しい人材の補充と育成にも時間を要するため、生産性の低下を招きかねないでしょう。そのため、入社3年以内の早期離職をできるだけ減らすために、企業は若手の定着を最優先課題としているのです。

データでみる入社3年以内の早期離職

どのくらいの人が実際に早期離職を選択しているのでしょうか。

ここでは2024年時点で公開されている最新のデータを紹介しながら、データから早期離職をみていきます。

大卒者の早期離職率は32.3%

厚生労働省が2023年に公表した「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します」によると、大卒者で入社3年以内に離職した人の割合は32.3%でした。

これは2020年3月に大学を卒業し、新卒で入社した人に対する割合です。

また、就業年数別の離職率は、以下の通りです。

1年目 10.6%
2年目 11.3%
3年目 10.4%

1年目から3年目まで離職率はほぼ横ばいであることから、毎年一定数が早期に離職していることがわかります。

大卒者の早期離職率|10年間推移

大卒入社の早期離職率は、2010年入社から10年間で以下の通り推移しています。

入社年 1年目で離職 2年目で離職 3年目で離職
2010年 12.5% 10.0% 8.5%
2011年 13.4% 10.1% 8.8%
2012年 13.1% 10.3% 8.9%
2013年 12.8% 10.0% 9.1%
2014年 12.3% 10.6% 9.4%
2015年 11.9% 10.4% 9.5%
2016年 11.4% 10.6% 10.0%
2017年 11.6% 11.6% 9.9%
2018年 11.6% 11.3% 8.3%
2019年 11.8% 9.7% 10.0%
2020年 10.6% 11.3% 10.4%

10年間の推移をみると、1年目の離職率はゆるやかに減少傾向で2年目はほぼ横ばいです。一方、3年目の離職率はゆるやかに上昇していることがわかります。

業界別の大卒者早期離職率

早期離職者をより細かくみていきましょう。
まずは業界別の割合です。

業種 早期離職割合
宿泊業、飲食サービス業 51.4%
生活関連サービス業、娯楽業 48.0%
教育、学習支援業 46.0%
医療、福祉業 38.8%
小売業 38.5%

ホテルやレストラン、美容室、映画館などのサービス業で離職率が高いのが目立ちますね。
離職の理由は一概にはいえませんが、サービス業では労働環境やシフト制による不規則な労働時間、または対人関係によるストレスも原因のひとつなのかもしれません。

事業所規模別の大卒者早期離職率

次に、事業規模別にみてみましょう。

事業所規模 早期離職割合
5人未満 54.1%
5~29人 49.6%
30~99人 40.6%
100~499人 32.9%
500~999人 30.7%
1,000人以上 26.1%

従業員の人数が多くなればなるほど、入社後3年以内の離職率は減少していくことがわかります。

規模の小さい企業で離職率が高くなるのは、以下が考えられます。すべての企業がそうとは限らないため一概にはいえませんが、参考にしてください。

・一人ひとりの業務負担が大きいので激務になりやすい
・労働条件がよくない
・社内で幅広い業務を経験できない

このような理由が考えられるでしょう。

なぜ若手社員は離職するのか?転職に対する調査からみえること


若手社員が離職する理由の1つは、転職に対してポジティブに考える人が多いことが考えられます。
株式会社パーソル研究所の「働く10,000人の就業・成長定点調査」によれば、「転職にどのようなイメージをもっていますか?」という質問に対する20代の回答は以下の通りです。

ポイント
「転職にどのようなイメージをもっていますか?」への回答・成長につながる:79.3%
・キャリアップできる:72.5%
・スキルアップできる:76.6%
・人材としての市場価値が高まる:69.4%
・総合的に見てよいことだと思う:77.0%参照:株式会社パーソル研究所の「働く10,000人の就業・成長定点調査

上記すべての項目で30代~60代よりも高い結果だったことからも、若い世代にとって転職は明るいイメージがあることがわかります。
そのため、自身のスキルアップや成長が叶うようなよりよい企業があれば、積極的に転職するのでしょう。

さらに、若い人材は1つの企業にずっと勤める「終身雇用」を当たり前と考えず、転職をキャリア形成の一部として考える人が増えていることも下記のアンケート結果から明らかになっています。

株式会社学情(本社:東京都千代田区)は、20代の仕事観や働く意識をひも解くために、アンケート調査を実施しました。
転職について、「社会人になる前から視野に入れていた」と回答した20代が61.8%に上りました。6割を超える20代が、社会人になる前から転職をキャリアの選択肢にしていたことが分かります。

引用:PR TIMES「20代の6割超が、社会人になる前から転職を視野に

早期離職による企業のデメリット


新卒入社のおよそ3割が3年以内に辞めていくことや、早期離職は過去10年間ほぼ横ばいであることがわかりました。ただ、入社3年目の離職率が10年間でゆるやかに上昇していることや、若い世代の転職に対するイメージがポジティブなものであることから、早期離職をゼロにするのは難しいでしょう。

ここでは、早期離職が企業にどんなデメリットをもたらすのかについて解説します。
「若手社員が早い段階で辞めてしまうのをどうにかしたい」と考える人は、起こりうるデメリットを把握しておくのも、対策をするうえで重要なので参考にしてください。

採用コストがかかる

まず、早期離職は採用コストがかかるデメリットがあります。

就職みらい研究所の「就職白書2020」によれば、2019年度の新卒採用には1人あたり93.6万円、中途採用には1人あたり103.3万円がかかっています。およそ100万円のコストがかかるため、入社から早い段階で辞められてしてしまうのは企業にとって損失が大きいですよね。

採用コストとは、人件費や求人広告の掲載費用など採用にかかるコストを指します。
入社間もない社員が辞めてしまうと、そのコストを回収できずに無駄になってしまいます。さらに、新たな採用活動が必要となり、追加のコストも発生するでしょう。また、新たな人材確保のために、採用担当者の時間と労力もさらに必要です。

企業イメージがダウンする

次に、早期離職率の高さは企業イメージの低下にもつながりかねません。

企業は直近3年間の離職率を公表しなければいけないことが、若者雇用促進法(青少年の雇用の促進等に関する法律)の第13条で定められています。

若者雇用促進法(青少年の雇用の促進等に関する法律(昭和45年法律第98号))

(青少年雇用情報の提供)第十三条
労働者の募集を行う者及び募集受託者は、学校卒業見込者等であることを条件とした労働者の募集(次項において「学校卒業見込者等募集」という。)を行うときは、学校卒業見込者等に対し、青少年の募集及び採用の状況、職業能力の開発及び向上並びに職場への定着の促進に関する取組の実施状況その他の青少年の適職の選択に資するものとして厚生労働省令で定める事項(同項及び次条において「青少年雇用情報」という。)を提供するように努めなければならない。

2 労働者の募集を行う者及び募集受託者は、学校卒業見込者等募集に当たり、当該学校卒業見込者等募集に応じ、又は応じようとする学校卒業見込者等の求めに応じ、青少年雇用情報を提供しなければならない。

引用:厚生労働省「青少年の雇用の促進等に関する法律第13条及び第14条に基づく青少年雇用情報の提供について

この法律により、求職者は企業の離職率をチェックできるのです。
3年後の離職率がおよそ10〜20%だとホワイト企業とイメージされることから、離職率が高いと「きつい仕事なのかもしれない」と疑われてしまう可能性もあります。

既存社員の負担が増える

残された既存社員の負担が増えてしまうデメリットもあります。
早期離職が多発すると、残された社員の業務負担が大きくなります。退職した社員の仕事を誰かが肩代わりしなければならず、残業の追加や人員の振り替えが発生するためです。

これにより、既存社員のモチベーションが低下し、さらなる離職につながるリスクがあります。過度の業務負荷は生産性の低下にもつながるため、企業は早期離職対策に注力する必要があるのです。

離職が連鎖する

離職が連鎖することもデメリットの1つです。

早期離職者が増えると、残された社員の業務負荷が高まります。若手社員が育たない状況が続けば、既存メンバーは疲弊し、企業への不信感も強まります。そうした状況下では、さらなる退職が相次ぐ可能性があり、離職率はさらに上昇してしまうかもしれません。

早期離職への対策を怠ると、人材の流出が進行してしまう可能性があります。

まとめ:早期離職は若手社員の研修で防ぐ


入社3年以内の早期離職率は、大卒者でおよそ3割です。10年間ほぼ横ばいであることや、若い世代は入社前から転職を意識していることなどから、若手の早期離職をなくすことは難しいでしょう。
それでも企業としては、コスト面や生産性などの面からできるだけ早期離職を減らしたいと考えるはずです。

早期離職を減らす対策の1つとして、若手社員の人材育成やメンタルヘルスの研修を開催することが効果的です。

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