【春闘2026】基本の仕組みとスケジュール、3つの注目点を解説
2024年5.10%、2025年5.25%——日本の春闘は2年連続で5%台の高い賃上げを実現しました。では、2026年も同じ水準を維持できるのでしょうか?
連合は「5%以上」の目標を掲げましたが、トランプ政権の高関税政策による景気への影響や、実質賃金のマイナス継続など、課題は山積しています。
春闘2026の動向は、大企業の社員だけでなく、中小企業や労働組合のない会社で働くすべての人の給与水準に影響します。
本記事では、2025年10月から始まる準備段階、2026年3月の集中回答日まで、春闘2026の全スケジュールを時系列で解説します。さらに、賃上げ率・物価対応・中小企業格差という3つの注目点を、専門機関のデータをもとに分析します。
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【春闘2026】基本の仕組みとスケジュール、3つの注目点
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春闘とは

春闘の正式名称は「春季労使交渉」「春季生活闘争(春季闘争)」で、毎年春に行われる労働組合と企業の交渉の場です。大企業での交渉結果は中小企業や零細企業の賃金相場にも影響するため、労働組合のない会社で働く人にも関係します。
春闘2026の動向は日本全体の賃金水準などを左右するでしょう。春闘2026を正しく理解するために、まずは春闘の基本的な目的や仕組みからお伝えします。
春闘の目的と基本的な流れ
春闘の目的は、労働者の賃上げと労働条件の改善などです。生活水準を向上させ、働きやすい環境を整えることを目指しています。
春闘の基本的な流れは次のとおりです。
1.労働組合が方針を決めて要求内容をまとめる
2.企業へ要求書を提出する
3.労使間で交渉する
4.企業が回答を出す
5.労使が合意すれば妥結する
大企業の合意結果は業界全体の賃金相場となり、中小企業にも影響します。春闘2026も上記の流れに沿って、全国で交渉が進められる見込みです。
春闘の実施時期と期間
春闘の実施期間は、準備段階から合意まで約半年間に及びます。前年の10月頃から連合や経団連が方針を決定し、本格的な交渉は1月から始まります。労働組合が企業へ要求書を提出するのは2月が中心で、3月中旬の集中回答日に向けて交渉は活発化します。
集中回答日とは、大手企業が一斉に回答を示す日のことです。その後、中小企業の交渉が続き、4月以降に順次決定していきます。
中小企業や業種別(公務員)春闘の特徴
春闘は、企業規模や業種によって賃上げ率や交渉の進め方が大きく異なります。大企業は労働組合の交渉力が強く、高い賃上げ率を実現する傾向があるためです。
一方、中小企業は大企業の結果を参考に交渉を進めますが、資金力や業績の違いから賃上げ幅が小さくなる場合もあるでしょう。業種別では、製造業が春闘の先陣を切る形で交渉が進み、自動車や電機メーカーの結果が注目されます。サービス業も近年は人手不足を背景に賃上げ要求が活発です。
公務員は春闘に参加せず、人事院勧告にもとづいて給与が決まります。2025年8月の人事院勧告では、月例給3.62%(15,014円)の引き上げが勧告されました。春闘2026でも春闘の結果を踏まえ、交渉が展開される見込みです。
参考:全日本自治体労働組合『【人事院勧告】月例給3.62%引き上げ、一時金0.05月増~初任給・若年層に厚く、全世代の賃金を改定~』
春闘2026スケジュール

春闘2026のスケジュールは、前年秋の準備から春の妥結まで約半年間かけて進行します。各段階で労使双方が重要な動きを見せるため、時期を把握しておくと交渉準備や予算をたてる際に役立つでしょう。
春闘2026の主なスケジュールを時系列でお伝えします。
2025年10月〜12月:準備段階
春闘2026は前年の2025年10月から準備が始まります。労働組合側と経営側がそれぞれの方針を発表し、双方のスタンスが明らかになる重要な期間です。
10月中旬に連合が賃上げ目標を含む「春季生活闘争基本構想」を公表します。11月上〜中旬には経団連の「経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)」原案が判明し、経営側の賃上げ姿勢が確認できるでしょう。
また、11月頃には政労使会議が開催され、政府から労使へ賃上げ要請が出される見込みです。経営側が人手不足や物価高への対応を重視するのか、景気の先行き不透明感から慎重になるのかが注目されます。
春闘2026の全体像は、この時期の動きから徐々に見えてくるでしょう。
参考:日本労働組合総連合会「2026春季生活闘争基本構想」
参考:社会保険労務士PSRネットワーク「令和8年春闘の基本構想を公表 賃上げの目安 全体で5%以上 中小は6%以上 非正規は7%程度(連合)」
参考:時事通信「「力強い賃上げの定着」強調 26年春闘指針原案―経団連」
2026年1月〜3月上旬:交渉の本格化と要求書の提出
2026年1月から3月上旬にかけて、春闘の交渉が本格化します。労働組合が企業へ具体的な要求を提出し、労使間の交渉が活発になる時期です。
1月下旬には経団連と連合のトップによる懇談会が開催され、春闘の事実上のスタートとなるでしょう。また、1月末には労務行政研究所による賃上げアンケート結果が公表されます。
2月中旬から下旬にかけて、各労働組合が賃上げ率や労働時間の短縮などの要求書を企業へ提出します。高水準の賃上げを求める組合があった場合、メディアで大きく取り上げられることもあります。
3月上旬には、連合による要求集計の結果が発表されます。要求内容と実際の賃上げ率は連動する傾向があるため、最終的な賃上げの見通しを立てられるでしょう。大企業(組合員300人以上)と中小企業(300人未満)で分けて分析しているため、企業規模ごとの賃上げ傾向も確認できます。
2026年3月中旬:集中回答日と集計結果の発表
2026年3月中旬は、春闘の集中回答日を迎えます。主要企業が労使交渉の回答を一斉に示す日で、通常3月中旬に設定されるでしょう。
労働組合は交渉力を強めるため、同じ業界の組合同士で連携し、回答日でも歩調を合わせます。2024年や2025年の集中回答日では、企業が組合の要求を認める回答が多く、組合の要求を上回る回答も一部で見られました。
中小企業の交渉は大企業より遅いタイミングですが、集中回答日での賃上げ相場を参考にして交渉を進めるため、大企業の結果は中小企業の賃上げ水準を把握する上でも重要です。集中回答日から数日後には、連合から春闘の第1回回答集計が公表されます。
この結果によって、春闘2026の賃上げ率がほぼ決まると言えるでしょう。第1回集計から最終集計までの修正は、例年0.2ポイント程度のため、注目度が高まります。
春闘2026で押さえたい3つの注目点

2026春闘は、日本経済の今後を左右する重要なポイントがあります。前年に続いて高い賃上げを実現できるのか、経済環境の変化にどう対応するのかが問われるためです。
3つの注目点を詳しくお伝えします。
注目点①高い賃上げ率を維持できるか
春闘2026の焦点の一つは、前年に続いて高い賃上げ率を維持できるかです。2024年春闘は5.10%、2025年春闘は5.25%と高水準の賃上げを実現しました。専門家は、2026年度も実質賃金をプラスにするには、連合ベースで4.7〜4.8%程度の賃上げが必要と指摘しています。
ベースアップで考えると3%程度の水準です。人手不足や物価高への対応から、経営側が積極的な賃上げ姿勢を示すのかどうかが注目されます。一方で、景気の先行き不透明感から賃上げに慎重になる可能性もあるでしょう。
春闘2026の賃上げ率が大幅に下がれば、労働者の生活や日本経済全体に影響を与えかねません。
参考:第一生命研究所『2026年春闘のスケジュールと金融政策展望 ~2026年春闘から考える利上げタイミング~ | 新家 義貴』
注目点②物価上昇と人手不足の影響をどう乗り越えるか
春闘2026は、物価上昇と人手不足への対応も重要な課題です。2024年と2025年は5%台の高い賃上げを実現しましたが、実質賃金はマイナスが続いています。暮らしがよくなったと実感する人は少なく、個人消費も低迷したままです。
これまで企業は、人手不足による人材確保の必要性や物価高への配慮から賃上げに前向きでした。しかし、トランプ政権の高関税政策による景気への悪影響が懸念されています。こうした先行き不透明な状況で、企業が積極的な賃上げ姿勢を維持できるかどうかが焦点でしょう。
参考:時事ドットコム『連合、賃上げ「5%以上」要求 高水準維持、物価高に対応―格差是正を推進・26年春闘』
注目点③中小企業への影響と賃金回復の課題
春闘2026は、中小企業まで賃上げが広がるかも重要な課題です。2025年春闘では全体が5.25%の賃上げを達成しましたが、従業員300人未満の中小組合では4.65%にとどまり、企業規模による差が残りました。
中小企業は大手企業の交渉結果を参考にしますが、資金力や業績の違いから賃上げ幅が小さくなる傾向があります。賃上げの財源を確保するためには、商品やサービスの値段に人件費の増加分を反映させる仕組みが求められるでしょう。
連合は中小企業に対して「6%以上」の目標を掲げ、大手企業との差を縮める方針を示しています。中小企業での賃上げが進まなければ、日本経済全体での給与水準の改善は困難でしょう。
参考:時事ドットコム『連合、賃上げ「5%以上」要求 高水準維持、物価高に対応―格差是正を推進・26年春闘』
2026年春闘から見えるこれからの働き方

春闘2026は、日本の賃金水準と働き方の未来を左右する重要な節目です。高い賃上げ率を維持できれば、実質賃金のプラス転換と個人消費の回復が期待できます。
一方で、大企業と中小企業の格差是正も課題の一つです。賃上げの流れを定着させ、すべての労働者が生活向上を実感できる社会の実現が求められます。
春闘2026の結果は、今後の日本経済と働き方改革の方向性を示す指標となるでしょう。
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