労働組合が必要ないと言われる理由は?新任役員の役割と4つのセミナー効果

労働組合は「必要ない」との声が聞かれることがあります。
新任役員自身も組合は本当に必要なのか、時代遅れではないかなどの疑問を抱いているケースが少なくありません。
しかし新任役員は、組合員と執行部をつなぐ重要な橋渡し役です。役員の意識と行動次第で、組合全体の活性化や円滑なコミュニケーションにつながります。
本記事では、労働組合が「必要ない」と言われる理由を、セミナーで得られる効果とともにわかりやすくお伝えします。
労働組合の必要性や意義を見出すには、組合から組合員にさまざまなメリットを提供する必要があるといえます。講演サーチは、ご予算やご希望に合わせた講師・講演テーマを複数ご提案し、組合員の皆様に本当に役立つ学びの機会をご提供いたします。失敗しない講演・研修を実現したい方は、お気軽にご相談ください。
労働組合が必要ないと言われる理由は?新任役員の役割と4つのセミナー効果
目次
労働組合は必要ないと言われる5つの理由

労働組合は必要ないと言われる主な理由は、以下の5つです。それぞれ詳しくお伝えします。
組合の活動成果が見えにくい
「組合費を払っているのに、何をしているのかわからない」という不満は最も多く聞かれる声です。
賃上げ交渉の成果が組合の働きかけによるものか、会社の業績によるものか判断しづらい状況があります。また福利厚生の充実についても、組合の貢献度が不明確なため、「組合費に見合う価値」を実感できない組合員が多いのです。
透明性の欠如が、組合への不信感につながっているといえるでしょう。
労働環境が改善されている企業が増えた
労働基準法の整備や企業のコンプライアンス意識の向上により、組合がなくても一定の労働者保護が実現されるようになりました。
パワハラ防止法の施行、有給休暇取得の義務化、残業時間の上限規制など、法整備が進んだことで、かつて組合が担っていた役割の一部が法律でカバーされるようになったのです。
「組合がなくても困らない」と感じる背景には、こうした労働環境の底上げがあります。
時代遅れの運営方法
デジタル化が進む現代において、組合の運営方法が旧態依然としているケースが目立ちます。
紙の資料配布、手書きの署名集め、対面中心の会議運営――これらは若い世代には非効率に映ります。SNSでの情報発信が少なく、オンライン参加の選択肢もない組合活動は、現代的な働き方と乖離しています。
また多くの組合が「全員一律の待遇改善」を重視する一方、若い世代は「個人の能力や成果に応じた評価」を求める傾向があり、価値観のミスマッチが生じています。
組合役員の負担が大きすぎる
「組合役員になると損をする」という認識も、組合離れを加速させています。
本来の業務に加えて組合活動の時間を割く必要があり、会議への参加や休日行事への出席でプライベート時間が削られます。組合員からの苦情対応や執行部との調整業務など、精神的な負担も少なくありません。
さらに交渉で結果が得られなければ「会社の言いなり」と批判され、成果を出しても評価されにくいという板挟み状態に陥ります。この「割に合わない」感覚が、役員のなり手不足を深刻化させているのです。
一部の組合員だけが恩恵を受けている印象
組合活動が一部の声の大きい組合員や、特定部署の利益にしか貢献していないと感じる人もいます。
たとえば組合のレクリエーション行事が特定の年齢層や家族持ちに偏っていたり、交渉内容が製造部門など特定職種に集中していたりすると、「自分には関係ない」と感じる組合員が増えてしまいます。
それでも労働組合が必要とされる4つの場面

ここまで「必要ない」と言われる理由を見てきましたが、実際には労働組合が重要な役割を果たす場面は確実に存在します。
会社との交渉力が必要なとき
個人では会社と対等に交渉するのは困難です。給与の大幅な引き上げや、労働条件の改善を求める際、集団の力は依然として有効です。
とくに業績悪化時の雇用維持や、不当な配置転換への対応など、個人の立場が弱い場面では組合の存在意義が際立ちます。
ハラスメントやトラブルが発生したとき
パワハラやセクハラの被害を受けた際、一人で人事部に相談するのは勇気が要ります。組合は相談窓口として機能し、被害者の味方として会社との交渉をサポートします。
法的な知識を持つ組合役員や、労働組合の顧問弁護士のサポートを受けられるのは大きなメリットです。
業界全体の労働条件向上を目指すとき
企業別組合だけでなく、産業別組合は業界全体の賃金水準や労働環境の底上げに貢献しています。
個別企業では実現困難な業界標準の確立や、政策提言活動など、マクロな視点での労働者保護は組合ならではの役割です。
会社の一方的な決定を監視・牽制するとき
経営陣の独断を防ぎ、労働者の視点を経営に反映させる機能は重要です。
リストラや賃金カット、就業規則の変更など、労働者に大きな影響を与える決定について、組合がチェック機能を果たすことができます。
労働組合を活性化させる新任役員の役割

労働組合の新任役員になった方、またはこれから役員を打診されている方に向けた内容です。
労働組合を活性化し、「必要ない」という声を変えていくには、新任役員の活動が極めて重要になります。役員は組合員と執行部をつなぐ橋渡し役であり、その意識と行動次第で組合全体の雰囲気が変わるためです。
労働組合員の声を会社に伝える
執行部と組合員をつなぐ
労働組合員からの相談対応
新任役員の活動次第で、労働組合の存在価値は大きく変わる可能性があります。一つずつ解説します。
労働組合員の声を会社に伝える
新任役員は、労働組合員の声を会社に正確に伝える役目があります。現場の実情を知る組合員の意見を経営陣に伝え、労働環境の改善につなげる必要があるためです。
組合員からの要望には、職場環境の改善や給与待遇に関する不満、働き方の見直しなどがあります。新任役員は組合員から寄せられた声をまとめ、会社との交渉で現場の声が反映されるように努めます。
組合員の要望が実際に会社に届いている実感を得られれば、労働組合は必要ない、意味がないなどの考えを変えられるでしょう。
執行部と組合員をつなぐ
執行部と組合員をつなぐのも、新任役員の重要な役割です。執行部と現場組合員の間にある距離を縮め、相互理解を促進する必要があるためです。
たとえば執行部からの決定事項を組合員にわかりやすく伝え、組合員から出た疑問や意見を執行部に届ける橋渡し役を担います。
新任役員がいなければ、執行部の考えが現場に伝わらず、組合員の声も上層部に届きません。双方向のコミュニケーションを活発にすれば、組合全体の結束力が高まるでしょう。
労働組合員からの相談対応
労働組合員からの相談対応も、新任役員の大切な役割です。組合員が抱える職場の悩みや問題を解決に導き、組合への信頼を築く必要があります。
たとえば職場でのハラスメント被害や労働条件に関するトラブル、上司との人間関係の悩みなどです。新任役員は組合員の相談を丁寧に聞き、適切な解決策を提案したり専門部署につなげたりします。
新任役員には、相談しやすい雰囲気づくりも求められるでしょう。組合員の身近な相談相手として機能すれば、労働組合は必要ないと思われるのも避けられます。
労働組合の新任役員がぶつかりやすい3つの課題

新任役員がぶつかりやすい3つの課題は、下記のとおりです。
組合員の無関心
執行部と意見のずれ
複雑な問題への対応力不足
具体的にどのような問題があるのか、詳しくお伝えします。
組合員の無関心
組合員の無関心は、新任役員が直面する課題の一つです。組合費は払うものの活動内容や成果については興味が薄く、協力を得られない組合員が存在するためです。
組合の会議や説明会に参加する人が少ないと、重要な議題について意見交換ができません。アンケート調査への回答率が低いと、組合員の本音を把握するのが困難でしょう。
無関心な組合員が多い状況は、労働組合は必要ないと考える原因にもなり、新任役員にとって解決すべき重要な問題といえるでしょう。
執行部と意見のずれ
執行部との意見のずれも、新任役員が困惑する課題です。現場を知る新任役員と組織全体を見る執行部では、問題への認識や解決方法が異なるためです。
たとえば賃上げ交渉の進め方について、執行部は慎重な姿勢を取る一方で、新任役員は組合員の強い要望を受けて積極的な交渉を求める場合があります。また職場改善の優先順位についても、執行部と現場感覚にずれが生じるケースも少なくありません。
意見のずれが続くと、新任役員は板挟み状態になり、思うような成果を上げられません。新任役員自身も労働組合は必要ない、と感じてしまう可能性があります。
複雑な問題への対応力不足
専門知識や経験が不足している新任役員にとって、複雑な問題への対応は深刻な課題といえます。対応しなければいけない責任があるものの、精神的な負担になるでしょう。職場でハラスメントの相談を受けた際、適切な初期対応や関係者への聞き取り方法がわからない場合もあるでしょう。
労働条件に関するトラブルは、法的な知識が必要です。対応を間違えれば問題が深刻化し、組合員から労働組合は必要ないと思われてしまうリスクもあります。
新任役員セミナーで得られる4つの効果

新任役員が抱えるさまざまな課題を解決するためには、新任役員に向けた体系的なセミナーの受講が効果的です。
新任役員セミナーで得られる4つの効果は、下記のとおりです。
役員としての役割を把握できる
ハラスメントやトラブル対応の基本が理解できる
執行部や他の役員との連携の仕方を学べる
役員として活動する自信がつく
セミナー受講の効果について、それぞれ解説します。
役員としての役割を把握できる
新任役員セミナーを受講すると、役員としての役割を明確に把握できます。多くの新任役員は自分に求められている具体的な業務内容や責任範囲を理解していないためです。
たとえば組合員からの相談対応の方法や会社との交渉時の立ち位置、執行部への報告義務などは新任役員が就任当日に戸惑う課題でしょう。セミナーでは基礎から応用まで段階的な学習プロセスで、役員が担うべき役割を体系的に学べます。
役割を正しく理解すれば、労働組合は必要ないと思っている組合員に対しても、適切に対応できるでしょう。
ハラスメントやトラブル対応の基本が理解できる
ハラスメントやトラブル対応の基本を理解できるのも、セミナー受講のメリットです。新任役員が不安に感じる分野でありながら、適切な対処法を学ぶ機会が限られているためです。
セミナーでは実践的なワークを通じて、相談を受ける際の聞き取り方法から専門機関への相談まで、段階的に対応スキルを習得できます。たとえばハラスメントの相談に適切に対応できるようになり、さまざまな労務相談についても組合員の声を拾えるようになるでしょう。
執行部や他の役員との連携の仕方を学べる
執行部や他の役員との連携方法を習得できるのも、セミナー受講効果の一つです。新任役員は組織内でのコミュニケーションの取り方や情報共有の方法がわからないケースが多いためです。
たとえば上司や執行部の力を借りるためのアプローチ方法や、相手の立場を理解して先回りする連携術を学べます。また実践的なワークで部下が力を発揮する方法や、建設的な議論の進め方まで体系的に学習できます。
それぞれの立場の人と適切な連携ができるようになれば、組合全体の結束力が高まり、労働組合は必要ないと考える人の認識を変えられるでしょう。
役員として活動する自信がつく
セミナー受講により、役員として活動する自信を身につけられます。新任役員の多くは経験不足から自分の判断に確信がもてず、積極的な活動を躊躇してしまう人も多いためです。
たとえば組合員との接し方や問題解決の手順、執行部との連携方法などを体系的に学ぶと、実践的なスキルが身につきます。また同じ立場の他の役員との情報交換や経験談の共有により、一人ではない安心感も得られるでしょう。
自信をもって活動できるようになれば、組合員からの信頼も高まり、労働組合は必要ないという声を払拭できます。
セミナーで学び、役員として自信をもって組合を支えよう

労働組合は必要ないと思われやすいですが、適切な運用と人材育成に取り組むと労働組合の存在意義を発揮できます。
とくに新任役員は適切な知識とスキルを身につければ、組合員と執行部をつなぐ重要な役割を果たせるようになるため、組合の運営効果を高められます。
新任役員向けセミナーでは、役員としての役割把握からハラスメント対応、連携方法まで幅広く学べます。専門的な知識を習得し、自信をもって活動できるようになれば、組合全体の活性化につながるでしょう。
労働組合の新任役員セミナーをご検討の際は、人材育成に特化した講師陣が揃う講演サーチにご相談ください。お気軽にご相談ください。
人気の講師

1位
多湖 弘明
【株式会社Office Hit 代表取締役】

2位
植木 奈緒子
【気象予報士/気象キャスター/元客室乗務員】

3位
舟津 昌平
【経営学者/東京大学大学院経済学研究科講師】

4位
笑福亭 笑助
【落語家】

5位
伊庭 正康
【株式会社らしさラボ 代表取締役】
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