ウェルビーイング経営と健康経営の違いとは?目的・施策・向いている企業を比較
「ウェルビーイング経営と健康経営、何が違うの?」この疑問を持つ人事・経営担当者は少なくありません。
どちらも従業員の健康を重視する取り組みですが、目指すゴール・施策の方向性・推進アプローチに明確な違いがあります。
一言で言えば、健康経営は「企業視点でトップダウン型に推進する、病気・不調の予防施策」。ウェルビーイング経営は「従業員視点でボトムアップ型に推進する、幸福感・働きがいの向上施策」です。
本記事では、2つの経営手法の特徴と背景、3つの違い、自社に適したアプローチの選び方を詳しく解説します。迷っている方は、ぜひ最後まで読んで自社の判断材料にしてください。
時代の変化に合わせて柔軟に対応するためには、専門家の知識や知見に触れ、最新の情報をキャッチアップすることが大切です。
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ウェルビーイング経営と健康経営の違いとは?目的・施策・向いている企業を比較
目次
健康経営とは?
健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、計画的に実践する取り組みです。2014年から経済産業省が推進を開始してきました。
ストレスチェックの実施、働き方の改善などを通じて健康を守り「病気や不調を未然に防ぎ、働ける状態を守る」ことに重点を置くのが特徴です。
従業員の活力向上や生産性向上、医療費削減などの効果が期待できます。また、健康経営優良法人認定制度によって取り組みが社会的に評価される仕組みも整っています。
参考:経済産業省「健康経営」
ウェルビーイング経営とは?
ウェルビーイング経営とは、従業員の心身の健康だけでなく、働きがいや幸福感を含めた総合的な満足度を高める経営です。WHO(世界保健機関)が1948年に定義した「身体的・精神的・社会的に良好な状態」の概念をベースにしています。
健康経営が病気の予防に焦点を当てるのに対し、ウェルビーイング経営は「より良く生きる」状態の実現を目指すのが特徴です。
心理的安全性の確保やエンゲージメント向上、キャリア自律の支援を通じて、従業員一人ひとりが充実感を持って働ける組織づくりを重視しています。
健康経営とウェルビーイング経営が必要とされる背景
健康経営とウェルビーイング経営が必要とされる背景には、日本企業を取り巻く環境の変化があります。主な要因は次の3つです。
・少子高齢化・労働人口減少による人材不足
・ライフワークバランスの変
・生産性向上の必要性
一つずつお伝えします。
少子高齢化・労働人口減少による人材不足
日本は少子高齢化が進み、働き手となる労働人口が年々減少しています。企業にとって人材の確保や定着が大きな課題となっているのが現状です。従業員が心身の不調で離職すれば、貴重な人材を失うだけでなく、採用や教育にかかるコストも増加します。
健康経営やウェルビーイング経営を実践すれば、従業員が長く働ける環境を整えられるため、人材不足への有効な対策となるでしょう。
ワークライフバランスの変化
働き方に対する価値観が大きく変化しています。仕事だけでなく、私生活の充実も重視する従業員が増えたためです。長時間労働や過度な残業を避け、柔軟な働き方を求める声が高まっています。
育児や介護との両立、自己啓発の時間確保など、従業員のニーズは多様化しています。健康経営やウェルビーイング経営は、時代の変化に対応し、従業員が働きやすい環境を提供する手段として注目されています。
生産性向上の必要性
企業が競争力を維持するためには、従業員の生産性向上が欠かせません。人材不足が進む中、限られた人員で高い成果を出す必要があるためです。心身の健康が損なわれた状態では、集中力や判断力が低下し、仕事の効率が落ちてしまいます。
健康経営やウェルビーイング経営を通じて従業員のコンディションを整えれば、一人ひとりのパフォーマンス向上に期待できます。結果として、組織全体の生産性が高まり、企業の成長につながるでしょう。
ウェルビーイング経営と健康経営3つの違い
ウェルビーイング経営と健康経営は似た取り組みですが、いくつかの点で異なります。主な違いは次の3つです。
・目指すゴール
・取り組み内容
・成果の出し方
違いを正しく理解すれば、自社に適した経営手法を選択できるでしょう。3つの違いを解説します。
目指すゴール
健康経営とウェルビーイング経営は、目指すゴールが異なります。
健康経営は「病気や不調を防ぎ、健康な状態を維持する」ことが目的です。
一方、ウェルビーイング経営は「従業員が幸福感や働きがいを感じ、充実した状態で働く」ことを目指します。
たとえば、健康経営では健康診断の受診率向上や生活習慣病の予防に重点をおく取り組みが主です。対してウェルビーイング経営は、やりがいのある仕事や良好な人間関係の構築を重視します。
取り組み内容
取り組み内容も健康経営とウェルビーイング経営で異なります。
健康経営が「マイナスをゼロにする」取り組みなら、ウェルビーイング経営は「ゼロをプラスにする」取り組みといえるでしょう。
| 健康経営 | ウェルビーイング経営 | |
|---|---|---|
| 焦点 | 身体的、精神的な健康維持 | 幸福感や働きがいの向上 |
| 主な施策 | ・健康診断やストレスチェック ・運動促進プログラム ・禁煙支援 ・長時間労働の是正 | ・心理的安全性の確保 ・キャリア開発支援 ・柔軟な働き方の導入 ・コミュニケーション活性化 |
| アプローチ | 病気や不調の予防 | 充実感や満足度の向上 |
健康経営は健康を守る施策が中心ですが、ウェルビーイング経営は従業員の幸福感を高める施策に重点をおきます。
成果の出し方
成果の測定方法も異なります。健康経営は数値で測定しやすい指標を用いるのに対し、ウェルビーイング経営は数値化しにくい要素も含むためです。
| 健康経営 | ウェルビーイング経営 | |
|---|---|---|
| 主な成果指標 | ・健康診断受診率 ・ストレスチェック実施率 ・疾病率や医療費の推移 ・労災件数 ・生活習慣病の改善率 | ・従業員満足度 ・エンゲージメントスコア ・離職率 ・心理的安全性の度合い ・働きがいの実感 |
| 測定の特徴 | 数値で測定しやすい | 数値化しにくい要素も含む |
| 効果の現れ方 | 短期間で効果が見えやすい | 組織文化の変革を伴うため時間がかかる |
健康経営は短期間で数値として効果が見えやすい特徴があります。一方、ウェルビーイング経営は組織文化の変革を伴うため、効果が現れるまで時間がかかる傾向にあるでしょう。
ウェルビーイング経営と健康経営どちらがいい?
ウェルビーイング経営と健康経営、どちらを選ぶべきか迷う担当者は少なくありません。企業の規模や現在の課題によって最適なアプローチは異なるためです。
3つのケースをお伝えしますので、自社の状況と照らし合わせてみてください。
健康経営が適しているケース
健康経営は、具体的な健康課題がある企業に適しています。
医療費や労災件数の増加、長時間労働の常態化、メンタルヘルス不調による休職者の増加など、改善すべき問題が明確な場合に有効です。
たとえば、健康診断の結果で生活習慣病リスクが高い従業員が多い企業では、運動促進や食生活改善の施策が直接的な効果を生むでしょう。数値で成果を測定しやすく、短期間で改善が見込める点が利点です。
経営層への報告や社外への情報開示がしやすいため、健康経営優良法人認定を目指す企業にも向いています。
ウェルビーイング経営が適しているケース
ウェルビーイング経営は、組織文化の改革や従業員のエンゲージメント向上を目指す企業に向いています。離職率の高さや従業員満足度の低さが課題となっている場合、根本的な解決策となるためです。
たとえば、給与や待遇は悪くないのに人材が定着しない企業では、働きがいや成長機会の不足が原因かもしれません。心理的安全性を高め、キャリア自律を支援すれば、従業員のモチベーションは向上するでしょう。
イノベーションを生み出したい企業や、多様な人材が活躍できる組織づくりを進めたい企業にも向いています。
両方を組み合わせるケース
健康経営とウェルビーイング経営は、必ずしも二者択一ではありません。両方を組み合わせれば、相乗効果が期待できるためです。
【段階的な導入パターン】
まず健康経営で基盤を整える(健康診断、ストレスチェック)
従業員の健康状態が改善したら、ウェルビーイング施策を追加
心理的安全性やキャリア支援へと範囲を広げる
【同時進行のパターン】
健康面:運動促進や健康相談
ウェルビーイング面:柔軟な働き方や成長機会の提供
健康の土台にウェルビーイングを積み重ねれば、従業員が心身ともに充実した状態で働ける組織を築けます。リソースに余裕がある企業や、長期的な視点で組織づくりを進めたい企業に適したアプローチです。
ウェルビーイング経営と健康経営の違いを踏まえた次の一歩
ウェルビーイング経営と健康経営の違いを理解できれば、自社に適したアプローチを選択できます。健康課題が明確なら健康経営から、組織文化の改革を目指すならウェルビーイング経営から始めるとよいでしょう。
どのアプローチを選ぶにしても、社内での理解と協力が欠かせません。社内での理解を深めるには、専門家による研修や講演会の開催も効果的な方法です。
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